【準備編2】今の自分の基礎力レベルを把握する(内的キャリア)
どの基礎力を身につけるのか、そしてそのアクションプランをあらかじめ考えておくことが大切である。 |
ところで、基礎力とは一体何だろうか。あらためて基礎力を理解するために、経済産業省が定義した「社会人基礎力」を使って考えてみよう。
- チームで働く力
- 主体性…物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力…他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力…目的を設定し確実に行動する力
- 前に踏み出す力
- 課題発見力…現状を分析し目的や課題を明らかにする力
- 計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
- 創造力…新しい価値を生み出す力
- 考え抜く力
- 発信力…自分の意見を分かりやすく伝える力
- 傾聴力…相手の意見を丁寧に聴く力
- 柔軟性…意見の違いや立場の違いを理解する力
- 情況把握力…自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
- 規律性…社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力…ストレスの発生源に対応する力
- レベル1…部分的・断片的行動(受動行動)。
→その力の存在は知っているが、たまたまにしか発揮できない。
- レベル2…やるべきことをやるべきときにやった行動(通常行動)。
→やれと指示されたら発揮できるが、普段はしない。
- レベル3…明確な意図や判断に基づく行動、明確な理由の元選択した行動(能動行動)。
→自主的に目的を持って、自らの判断によってその力を発揮できる。
- レベル4…独自の効果的工夫を加えた行動、独創的行動、状況を変化させよう、打破しようという行動(創造行動)。
→既存のやり方ではなく、何らかのオリジナリティを加味した行動。
- レベル5…全く新たな周囲にとっても意味ある状況を作り出す行動(パラダイム転換行動)。
→組織改革など、周りを巻き込んで何かを変えるような変革行動。
例えば、君の「主体性」が、「やれと言われたら、やる」レベルなら、君の「主体性」はレベル2となる。例えば、君の「傾聴力」が、「相手の話をちゃんと聞いてから話さないと、自分の意見も聞いてもらえないから、普段から聞くようにしている」のなら、君の「傾聴力」はレベル3となる。さて、一つ一つ考えてみよう。
さあ、どうだったかな? きっとほとんどの人がレベル1~3だったと思う(レベル4~5の基礎力は社会人でも持っている人は少ないレベル)。ピンと来た人もいると思うけど、レベル3が基礎力を「意識せず使いこなせる」レベル、つまりその基礎力を「持っている」と言える最低レベルだ。例えば「主体性があります!」と面接で自己PRするなら、少なくともレベル3以上で無ければならないのだ。
「全部レベル1か2なんですけど…」
嘆くことはない。就職活動までに一つだけでもレベル3へ上げればいいんだ。そしてレベルを上げることは時間はかかるけどそんなに難しいことではない。
最も怖いことは、自らのレベルを知らずに、社会に出ようとすることなのだ。
※次のページで、【準備編3】基礎力レベルを向上させるアクションプランを考えることを学ぶ!
※基礎力については、記事「企業が内定者を決定する過程を考察する」 「面接官がチェックする“3つの力”」などに詳しく書いているので、あらためて読んで欲しい。