お客様の「良かった」の一言は、100のクレーム対応に匹敵する
最後に中谷さんはまとめてくれました。「ホテルは辛そうなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、実は楽しい仕事だということを知って欲しいですね。
例えばウエーター・ウエートレス・フロントサービスは、毎日同じ仕事に見えるかもしれません。でも、お客様は毎日違います。お客様によって仕事内容も変わることを認識して欲しい。
あと、クレーム対応もスタッフの心積もりで結果が全く変わってきます。例えば、お客様が言われも無いクレームをつけてきた場合、
・「(そんな言いがかりをつけて…)誠に申し訳ございません」
これでは逆にクレームを大きくなるだけです。
・「(これを機にホテルを好きになってもらおう)誠に申し訳ございません」
これならクレームはスムースに解決します。この(カッコ)の部分が顔に出ることで、お客様の反応に雲泥の差が出る。つまり、お客様の「良かった」の一言が、100のクレーム対応に匹敵することを心からわかっているか、わかっていないかの、差なのです。
ホテルは、お客様の「良かった」を心から味わえる仕事です。そう捉えることができれば、結構楽しい仕事なのですよ」
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中谷さんはその後、ホテルの裏側をいろいろ見せてくれました。
裏側はもちろん、お洒落な雰囲気は微塵もありませんが、スタッフ一人一人のブランドが、掲示板や張り紙一つ一つに、満ち溢れていました。
そのホテルを愛し、そこで働く自分に誇りを持ち、お客様の「良かった」の一言を追求する。スタッフ全員が、そのホテルのブランド。
最後も優しい笑顔で中谷さんは見送ってくれました。
「確かに働く人がブランドで、その人にまた会いたくて泊まるホテルなんだな」
新宿駅に向かう送迎バスの中で、夜空に浮かぶパークハイアット東京を振り返りながら、思いました。
※業界レポートは好評でしたら、また企画しますね。
※「結婚式」ガイドの粂さんには大変お世話になりました!ありがとうございました!
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