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グループワーク・グループディスカッションとは?企業が求める力
グループディスカッションって、何がチェックされているのかがわかりにくい。しかし基本を押さえれば、そんなに怖くないよ!
■グループディスカッション(グルディス、GD)
提示された課題についてグループで話し合い、他人の考えを受け入れ、自らの考えを修正し、時間内により良い成果を作り上げる作業。企業でいう「会議」「ミーティング」にあたる。
■グループワーク(GW)
グループディスカッション同様、提示された課題についてグループで話し合い時間内により良い成果を作り上げる作業。グループディスカッションとの違いは、ワークシートが用意されていたり、発表形式が決められていたりなど、ある程度進め方が準備されているところにある。実質はあまり変わらないし、人事が見ている点もほとんど同じ。
いずれにせよ、グループディスカッション・グループワークは面接とは全く違う選考方法である。最も違う部分は、面接は「面接官vs学生」だが、グループディスカッション・グループワークは「学生vs学生」である。よって、面接とは少し異なった「企業が求める力」がチェックされていると考えてよいだろう。というわけで、今回はグループディスカッションの突破法を述べたい。
グループディスカッションでは「チームワーク」が評価される
結論から言うと、グループディスカッションで評価される力は主に「チームワーク」である。よって、大切なことは「奇抜な意見」ではなく、「自分の役割」「他人の役割」「チームの目標」の3つをすべて達成することだ。ディスカッションの結論よりも、個々の振る舞い(プロセス)が大切なのだ。「チームワーク」で達成すべき要件は3つ!
以下の図は、以前の記事(面接って何?)でも登場した、職業能力である(大久保幸夫「キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編」より)。さて、グループディスカッションで、企業は何を見極めようとしているのだろうか。まず、無視していいのは「専門力」。新卒には求めない。「処理力」「思考力」も主に筆記テストで測るものだ。「態度(動機・価値観)」についてもディスカッションの中でチェックすることは可能ではあるが、面接で確認した方が確実である。
すると残るは「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」の3つである。この中で「グループで」「課題を与えられている」点を考えれば、「対人基礎力」「対課題基礎力」のいずれか、もしくは両方が評価されていると考えるのが正しい。短時間(1時間以内)のグループディスカッションであれば、ほぼ「対人基礎力」の評価と考えてよいだろう。
対人基礎力は大まかに下記の三種類がある。
- 親和力(コミュニケーション力):他者との豊かな関係を築く力。1対1のコミュニケーションに関する基本スキルである。初対面の人でも和やかな関係を作る、相手の立場に立って考える、相手の話に興味を持って聴く事ができる、相手の感情を受け止め理解できる、自分と異なる意見や価値観を尊重できる、など。組織で働く以上、これができない人は内定は取れない。
- 協働力(チームワーク):目標に向けて協力的に仕事を進める力。集団の中でのコミュニケーションに関する基本スキルである。集団の中で自分の役割を果たしつつ周囲と協力する、自らすすんで情報を周囲に伝え周囲からも有用な情報を得る、周囲の状況に気を配りタイミング良く手助けができる、など。言い換えれば「空気が読める力」。
- 統率力(リーダーシップ):場をよみ、組織を動かす力。集団をまとめつつ、目標達成するために欠かせないスキルである。話し合いの場に積極的に参加し発言する、意見が対立しても妥協せず粘り強く主張できる、議論が活発になるように自ら働きかける、など。かなりハイレベルな力である。
もう気付いたと思うが、グループディスカッションで評価されている力は「協働力(チームワーク)」である。「親和力(コミュニケーション力)」は通常の面接でも評価可能だし、「統率力(リーダーシップ)」は即席メンバーでかつ短時間、そして未知の課題の中では社会人であっても発揮が困難である。
もちろん、コミュニケーション力もリーダーシップもグループディスカッションで評価可能ではあるが、主に評価されている力は「チームワーク」なのだ。「チームワーク」で達成すべき要件は以下の3つ。
- 自分の役割
- 他人の役割
- チームの目標
である。この3つの条件をクリアすることを心掛けてグループディスカッションに挑むことが、「チームワーク」を発揮することに繋がり、グループディスカッション突破の条件となるのだ。
グループディスカッション対策は「会社研究」「友人との練習」!
評価する力が「チームワーク」であっても、手ぶらで挑戦するのは甘すぎる。詳しくは後述するが、あくまでも議論である以上、意見は主張しなくてはいけない。よって、的確な意見が言えるように、あらかじめ課題を想定した対策はするべきなのだ。グループディスカッション前日までにするべき、対策を記す。■会社研究をあらためて行い、事前にテーマを想定してネタを集めておく
旅行会社なら、 例えば出版社なら、 など、ある程度の想像が可能だ。就職課にある先輩レポートや、SNSや掲示板で今までの例を拾うことも出来る。とにかく、OB・OG訪問や店舗見学を軸に企業研究をしっかりして、どんなテーマが出てもネタに困らないようにしよう。
- 来店者を増やすには?
- 外国人旅行者を増やすには?
- 新雑誌の創刊について
- 既刊雑誌のリニューアルについて
■志望する会社や業界に関わるニュースをチェックする
時事ネタも比較的テーマになりやすい。会社研究の一環としても、面接対策としても、志望する会社や業界に関わるニュースをチェックしておこう。そして、それなりにコメントできるようにしておこう。
■友達と練習する
就活中の友達と練習しよう。できれば同じ業界を目指す他大の学生がいい。親しい友達より、お互い刺激になるからだ。それが無理でも、グループディスカッション特有の雰囲気に慣れるために、練習しておこう。就職課のスタッフに相談してみるのも良い。とにかく、場に飲まれて発言できなければ、必ず落ちてしまう。次ページ以降に書く注意点を元に、何度も練習しておこう。
以上を遂行し、意見を出せずに時間切れなんてことにならないように対策しよう。
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