高まるセキュリティへの意識


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僕(番犬)がいても、それだけでは安心できないかな???
不動産大手8社が共同で運営する新築マンションポータルサイトMAJOR7が平成17年1月に行なった「新築分譲マンション購入意向者アンケート」によると、マンションに住むメリットとして「セキュリティの充実」がトップになっています。長引く不景気や不透明化した社会構造によって「安全神話」が崩壊したからに他なりませんが、消費者ニーズを取り入れた新築マンションではオートロックや防犯カメラは当たり前、さらに、タワーマンションでは警備会社による24時間有人管理が行なわれるなど、防犯を強調したマンションが増えてきたことに、その端を発しています。

こうした「安全志向」は高まるばかりですが、一方で、防犯カメラに録画された映像の取り扱いや、居住者名簿の管理方法はルール化されていないのがほとんどで、組合員から突然に「防犯カメラの映像を見たい」と請求されて始めて、録画データの開示ルールや管理方法が未整備であることに気が付くのです。


個人情報保護法が全面施行される H17年4月


平成16年1月に「ヤフーBB」の加入者情報450万件が流出し、恐喝にまで発展した事件や、同年3月には「ジャパネットたかた」でも同様の事件が起こり、テレビ通販を一時自粛するまでに至りましたが、こうした個人情報をめぐるトラブルが後を絶たないことから、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護する」ことを目的に、平成17年4月より個人情報保護法が全面施行されることになりました。

同法に規定する「個人情報」とは

◇生存する個人に関する情報
◇特定の個人を識別することが可能な情報

であり、マンション管理組合が管理している居住者名簿防犯カメラに録画された画像も該当することになります。


【個人情報保護法】 第2条1項

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。


管理組合は取扱事業者に該当しない


それでは同法の施行に伴い、マンション管理組合にも個人情報の保護義務が課されることになるのでしょうか?個人情報保護法では、個人情報の取扱事業者を定義(第2条3項)しており、

◇個人情報データベース等を保有している者
◇事業の用に供している者

と定めています。「個人情報データベース等」とは、例えば「50音順に整理された住所録」「パソコン管理している顧客名簿」「電子メールソフト上のメールアドレス帳」などがそうで、「住戸番号別にまとめられた居住者名簿」も範囲に含まれます。しかし、事業の用に供する(不特定多数を相手に継続かつ反復する)行為は行っていませんので、マンション管理組合が取扱業者になることはあり得ません。


取り扱いのルール化が求められる


一方、国土交通省が作成するマンション標準管理規約では、「帳票類の作成、保管」として

「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿およびその他の帳票類を作成して保管し、組合員または利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる(第64条)」

としており、組合員(居住者)名簿の作成および管理の主体者を理事長と定めています。個人情報保護法に定める取扱業者ではないけれど、取扱業者同様、理事長に管理組合員の個人情報を保護することを求めているのです。

注意しなければならないのは管理規約上、管理組合の代表である理事長にその権利義務が託されていても、現実的に居住者名簿の管理は受託管理会社が行なっていますので、管理会社へ管理場所や管理方法を指示することが欠かせません。「任せっきりではダメ」だということです。

そこで、マンション居住者の個人情報をどのように管理(保護)していくか、一定のルールを作成しましょう。個人情報保護法を参考に、実行してみるといいでしょう。


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