給与30万円以上の介護福祉士は7%未満
次に注目したのは、待遇。特に介護福祉士は、正規職員比率(介護福祉士65.5%・社会福祉士84.7%)、決まって支給される月額給与(平均額/介護福祉士20万715円・社会福祉士24万9389円)、賞与(平均額/介護福祉士49万767円・社会福祉士78万1420円)のいずれも社会福祉士に比べてかなり低い状況にあります。平均額から年収を算出すると、介護福祉士は約290万円、社会福祉士は約377万円でした(月額給与には夜勤手当などは含まれていないので、もう少し差は少ないとは思いますが)。給与をもう少し細かく見ると、社会福祉士は「25万円以上30万円未満」が16%、「30万円以上35万円未満」が10.8%、さらには「40万円以上」も8.8%いるのに対し、介護福祉士で30万円以上の給与があるかたは7%にも達しません。
■決まって支給される給与の状況■ |
社会福祉士 | 介護福祉士 | |
10万円未満 | 2.7% | 2.5% |
10万円以上15万円未満 | 1.7% | 7.6% |
15万円以上20万円未満 | 22.7% | 39.2% |
20万円以上25万円未満 | 28.7% | 29.8% |
25万円以上30万円未満 | 16.0% | 11.7% |
30万円以上35万円未満 | 10.8% | 4.2% |
35万円以上40万円未満 | 5.5% | 1.3% |
40万円以上 | 8.8% | 1.0% |
不明 | 3.1% | 2.6% |
平均額 | 249,389 | 200,715 |
社会福祉士(N=16,179)、介護福祉士(N=78,587) |
介護・福祉分野での従業年数を見ると、5年以上のかたが、社会福祉士は7割以上、介護福祉士は8割以上を占めています。介護福祉士では10年以上の従業者も36.5%います。長く勤めても給与が上がっていかない。ここに、とりわけ介護福祉士の厳しい待遇の実態が現れていると思います。
また給与水準等を全産業平均※と比べると、全産業平均では決まって支給される月額給与は33万1900円。年間賞与その他特別給与額は92万3000円。年収にすると、約490万円となります。この調査における調査対象者の平均値は、年齢が41.1歳、勤続年数は11.9年。単純な比較はできませんが、やはり福祉・介護分野は相当に給与水準が低いことがわかります。
勤続11.9年で給与月額は約33万円。 せめてこの水準まで、福祉・介護分野の給与を引き上げられないものかと思います。
※厚生労働省「平成19年賃金構造基本統計調査」より