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潜在介護福祉士等に復帰してもらうために(2ページ目)

2008年末に発表された「介護福祉士等現況把握調査結果」。離職者の介護業界への復帰希望は5割程度。彼らに今後、介護の職場に戻ってもらうために必要なことは何でしょうか。

執筆者:宮下 公美子

給与30万円以上の介護福祉士は7%未満

次に注目したのは、待遇。特に介護福祉士は、正規職員比率(介護福祉士65.5%・社会福祉士84.7%)、決まって支給される月額給与(平均額/介護福祉士20万715円・社会福祉士24万9389円)、賞与(平均額/介護福祉士49万767円・社会福祉士78万1420円)のいずれも社会福祉士に比べてかなり低い状況にあります。平均額から年収を算出すると、介護福祉士は約290万円、社会福祉士は約377万円でした(月額給与には夜勤手当などは含まれていないので、もう少し差は少ないとは思いますが)。

給与をもう少し細かく見ると、社会福祉士は「25万円以上30万円未満」が16%、「30万円以上35万円未満」が10.8%、さらには「40万円以上」も8.8%いるのに対し、介護福祉士で30万円以上の給与があるかたは7%にも達しません。

■決まって支給される給与の状況■
  社会福祉士 介護福祉士
10万円未満 2.7% 2.5%
10万円以上15万円未満 1.7% 7.6%
15万円以上20万円未満 22.7% 39.2%
20万円以上25万円未満 28.7% 29.8%
25万円以上30万円未満 16.0% 11.7%
30万円以上35万円未満 10.8% 4.2%
35万円以上40万円未満 5.5% 1.3%
40万円以上 8.8% 1.0%
不明 3.1% 2.6%
平均額 249,389 200,715
社会福祉士(N=16,179)、介護福祉士(N=78,587)

介護・福祉分野での従業年数を見ると、5年以上のかたが、社会福祉士は7割以上、介護福祉士は8割以上を占めています。介護福祉士では10年以上の従業者も36.5%います。長く勤めても給与が上がっていかない。ここに、とりわけ介護福祉士の厳しい待遇の実態が現れていると思います。

また給与水準等を全産業平均※と比べると、全産業平均では決まって支給される月額給与は33万1900円。年間賞与その他特別給与額は92万3000円。年収にすると、約490万円となります。この調査における調査対象者の平均値は、年齢が41.1歳、勤続年数は11.9年。単純な比較はできませんが、やはり福祉・介護分野は相当に給与水準が低いことがわかります。

勤続11.9年で給与月額は約33万円。 せめてこの水準まで、福祉・介護分野の給与を引き上げられないものかと思います。
※厚生労働省「平成19年賃金構造基本統計調査」より
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