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必要と言いつつなぜできない介護職の賃上げ(3ページ目)

当事者である介護職はもちろん、要介護の高齢者も、厚生労働官僚も大臣も、与党議員も野党議員も、誰もが介護職の給与は安い、待遇が悪い、改善が必要だと言っています。ではなぜ改善できないのでしょうか。

執筆者:宮下 公美子

私たちにできることは何か

今回、傍聴に行ったのは、傍聴人が多いと、介護職の待遇改善に関心を持っている人がこんなにいるのだ、というプレッシャーになり、審議に熱が入ると聞いたから。高齢社会をよくする女性の会の代表である樋口恵子さんが参考人質疑に立った4月16日は、100人近い傍聴人が熱心に審議を見守っていました。

人々
4月16日の衆議院厚生労働委員会には約100名もの傍聴人が詰めかけた
我々一般市民にできるのは、署名を集めるか、こうして国会の傍聴に行ってプレシャーをかけるか。残念ながら、その程度です。事態を改善する具体的な行動を起こせるのは、政治家か官僚か、その両方か。とにかく、議場で話している人たちが動いてくれなくては、悔しいけれど、何も変わっていきません。

私は政治的には無党派ですし、この法案にはクリアしなくてはならない問題点が多いとも思います。しかし少なくとも、アクションを起こしてくれた民主党には感謝したい。反対に、何とかしなくてはと言いながら、対案も出さずに批判ばかりしている与党には、正直、腹が立ちました。

結局のところ、政府は次回介護報酬改定で、幾ばくか介護報酬をアップすることで待遇改善につながる対策を取った、とする道筋を考えているようです。しかし介護報酬アップでは、民主党法案以上に、待遇改善につながりにくいのは明らかです。

審議の中で、1年間でどれだけ賃上げをしたかを申告させ、それを元に判断して加算を付ける方が、賃上げをしようというインセンティブが働くのではないか、という意見が与党議員からありました。たしかにそのほうが良いように思います。しかし、議論の中でその提案が深まっていくことはありませんでした。党派を問わず、こうした意見を出し合って、民主党案を修正して、なんとか可決することはできないものか、と思います。

与党もこの法案成立にあからさまに反対はしにくいらしく、なんと、採決しない、と言っているそうです。審議だけして採決しないなんて。とりあえず、自民党公明党に、どうか可決成立させてほしい、とメールしてみました。

ほかにできることはないだろうかと、考えています。

また、NHKの報道によれば(厚生労働委員会では話が出ませんでしたが)、厚生労働省は介護職の離職対策を考える研究会を発足。4月18日に第1回会合を開いています。7月までに報告書をまとめるとのこと。詳細がわかったらまた、記事やメルマガ等でお知らせしたいと思います。

関連サイト

【国会論戦】介護職の低待遇も議論に
民主党の人材確保の特別措置法案とは?
白熱! 介護人材確保の大集会(1)
白熱! 介護人材確保の大集会(2)

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