実態は有料老人ホームの無届けケア付き住宅

一方、高専賃としての登録もしていないけれど、実態としては高専賃で有料老人ホームという賃貸住宅も実はたくさんあります。

2008年3月14日の日経新聞夕刊の生活情報欄に、千葉県大網白里町で訪問介護事業者が指定取消処分を受け、同じ経営者が運営していたケア付き住宅も閉鎖になったという記事が掲載されていました。記事によると、このケア付き住宅では、本来1対1で提供されるべき訪問介護サービスを、ヘルパー1人が複数の対象者に同時に提供していたとのこと。これが指定取り消しの理由でした。

このケア付き住宅のように、ヘルパー1~2人が日中ほぼ常駐し、入居者に対して必要に応じて食事の提供や、排泄、入浴介助を行っている共同住宅は多数あります。民家や簡易宿泊所を改装し、3~4.5畳程度の個室にベッドを入れて、生活保護受給者など、低所得の高齢者を受け入れている共同住宅などです。

行政のチェックをかいくぐるために、書類上は、個別介護のように個々のケアプランを立て、食事の提供も配食サービス利用という形を取るなどして、脱法、違法だと指摘されないよう体裁を整えているところもあります。

首都圏のある自治体に、実態としては有料老人ホームである、上記のようなケア付き住宅のことを把握しているかと尋ねたら、「多数あることは承知しているが、実数、実態共にとても把握し切れない」とのこと。「情報提供があれば実態調査に入り、有料老人ホームと認められたら届け出を促す、あるいは、届け出を拒否するのであればサービス提供を中止するよう指導する」そうです。

しかし、「市町村から一斉に多数の情報提供が来たら、とても対応しきれない」とも話しており、実質、ほとんど手つかずという印象でした。

高専賃は、歳をとったら住む家が見つからないのではないかという、賃貸住宅住まいの高齢者の不安を解消できる、いい住宅制度です。しかし、これだけ多様性が出てきた以上、何らかの条件設定や実態調査が必要だと思います。

また、前述のようなケア付き住宅や、自立に近い高齢者が共同生活を送るグループリビングと呼ばれる小規模の生活・介護サービス付き住宅も、同様に実態調査をしてほしい。有料老人ホームに分類するよりは、「小規模ケア付き住宅」など新たな分類で、現状の実態と、求められるサービスの質に見合った運営基準を設けてほしいと思います。身寄りのない生活保護受給者や低所得高齢者、また、できるだけ自立して暮らしたいという高齢者が安心して暮らせる場として、私はその必要性は非常に高いと感じています。

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