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1P目>>【規制がなく、玉石混淆状態の高専賃】
2P目>>【高専賃と有料老人ホームはどう違う?】
3P目>>【実態は有料老人ホームの無届けケア付き住宅】
規制がなく、玉石混淆状態の高専賃
「高専賃」というのは、「高齢者専用賃貸住宅」の略称。国土交通省が管轄しています。もともとあった「高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度」に登録している住宅の中でも、高齢者専用に賃貸している住宅のことを「高専賃」として、登録を促しているのです。この制度ができた背景には、高齢者の入居を嫌がる賃貸住宅が多く、高齢になると住居探しに苦労するという事情がありました。そこで、「高齢者の入居を拒まない」賃貸住宅には指定機関に、住宅の戸数、構造や設備等を登録してもらうことで高齢者の住居探しを支援しよう、とスタートしたのが「高齢者円滑入居賃貸住宅登録制度」。
その中で、前述の通り、高齢者のみを対象に賃貸している住宅は、高齢者専用賃貸住宅として、一時金の概算額、食事、入浴、掃除等のサービス提供の有無など、さらに詳細な情報を登録してもらう、というわけです。
これは賃貸住宅として登録してもらうだけで、広さや設備、付帯サービス等について、登録上の条件はありません。そのため、高専賃には実にさまざまなものがあります。
高専賃は民家改造のようなところから、グレードの高い有料老人ホームのようなところまでさまざま |
高齢者向け住宅の認定や啓発活動を行い、高専賃のリストをホームページに掲載しているある財団法人でも「残念ながら、高専賃はまだ玉石混淆状態。リストに掲載されている中で、登録内容と極端に違うなど指摘を受けて実態調査を行うこともあるが、なかなか把握するのは困難」とのこと。
そのため、入居してみて「こんなはずではなかった」という思惑違いのトラブルもすでに多発しているようです。
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