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猛威をふるうノロウイルスへの対策(2ページ目)

ノロウィルスを原因とした、下痢と嘔吐を引き起こす感染性胃腸炎が大流行中。高齢者施設や保育所でも集団感染が続発しています。症状と対策について紹介します。

執筆者:宮下 公美子

ノロウィルスによる感染性胃腸炎の症状

下痢、嘔吐、腹痛、38度以下の発熱が主な症状。2~3日で症状は治まりますが、高齢者や乳幼児は症状が重くなったり、吐瀉物で窒息するといった原因で命を落とすこともあるので注意が必要です。

ノロウィルスに感染しても、微熱だけが出る風邪と似たような症状のケースや、感染しても発症しないケースもあります。こうした不顕性感染者が調理に携わってしまうことも、感染の拡大を招いているようです。

また、ノロウィルスは人の体内で増殖し、症状が治まっても1~3週間ほど便からはウィルスが排出されます。調理者が感染した場合には、この点にもくれぐれも注意してください。治癒後も1ヵ月程度はトイレの後の手洗いを意識的に丁寧にする必要があります。

消毒には次亜塩素酸ナトリウムを

ノロウィルスは85度以上1分間以上の加熱によって感染性をなくせるので、感染源といわれている牡蠣なども生食は避けて中まで十分に加熱して食べるのが一番。まず、ノロウィルスを自然界から取り込まないことです。

次に人から人への感染を防ぐためには、うがいと手洗いです。施設であれば、出勤後は必ずうがいと手洗いをします。集団感染を避けるためには、なんと言っても施設にウィルスを持ち込まないことです。

仕事中も、トイレの後や配膳、食事介助の前にしっかりと手洗いをすることで、ノロウィルスをはじめとしたさまざまなウィルス、雑菌を洗い流すことができます。ノロウィルスは感染力が強いため、手洗いなんて意味がないのでは、と思いがちですが、物理的に洗い流すのは有効なウィルス除去法。感染者の吐瀉物や便に触れてしまっても、流水で丁寧に洗い流せば大丈夫です。

調理器具なども、まずは十分に洗剤で洗浄すること。そして、ノロウィルスに有効な消毒薬である、次亜塩素酸ナトリウムの6%溶液で消毒すれば安心です。また、調理器具を分けて、魚介類、肉類を扱った調理器具では消毒後も生食するサラダ用の野菜などを調理しないことも大切です。

>>次は「感染者の吐瀉物、便の処理方法」

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