理学療法士と作業療法士の違い
理学療法士と作業療法士は、たとえば高齢者施設からの求人でも「作業療法士か理学療法士の有資格者」と併記されるなど、「セラピスト」としてひとくくりにされることがよくあります。そのため、仕事内容も同じようなものなのかと誤解されるかたもいますが、決して「同じような仕事」ではありません。たとえば骨折した患者などが、病院などでリハビリテーションに取り組む時に指導に当たるのが理学療法士。関節の拘縮を防ぐために足を曲げ伸ばししたり、バーにつかまって歩行訓練をしたりなど、主に生活上、できるだけ不自由なく暮らせるように体の機能そのものの回復に向けた訓練、指導を行います。
これに対して、作業療法士は、絵を描いたり、園芸で植物の世話をしたりすることによって体を動かし、体の機能回復を図りますが、そうした作業を通してこころのリハビリテーションにも取り組みます。機能そのものの回復だけでなく、生きる意欲、生活の支えを培っていくことを目的としているのが作業療法であり、その指導を行うのが作業療法士なのです。
別の観点から違いをいえば、理学療法士は、患者本人にも、「体のこの機能を回復させるために行う」ことを意識あるいは認識させて機能訓練を行います。しかし作業療法士は、たとえば患者本人がリハビリテーションに積極的ではない場合、本人の趣味や生活環境に合わせて、意識せずに機能回復が図れる作業プログラムを組むといったアプローチも行います。
花に水をやる。そんな単純に思える作業にも機能回復の訓練が含まれている |
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