記事「学生にも人気! スポーツ栄養士になるには? 」でご紹介したように、スポーツ業界が注目されています。オリンピック開催国として誘致の話題が盛り上がりを見せ、ボランティアでかかわりたい人も多いのでは?

オリンピック終了後に開かれるパラリンピックでも、選手を食事の面からサポートする管理栄養士が活躍しています。今回は障害者スポーツの栄養サポートに15年以上も前から取り組み、現在もなお研究を続けている管理栄養士の内野美恵さんにお話をうかがいました。

栄養調査や個別相談を行うパラリンピック選手の栄養サポート業務


内野美恵さん
財団法人日本障害者スポーツ協会科学委員会、管理栄養士内野美恵さん。東京家政大学ヒューマンライフ支援センター講師、学術博士。
ガイド:
パラリンピック選手の栄養サポートについて聞かせてください。内野さんはどのような業務をしていますか?

内野美恵さん:
日本パラリンピック委員会(JPC)に所属する陸上、バスケットボール、テニスなど57の競技団体を対象に、栄養調査、生活習慣調査を実施し、分析結果を提出しています。

脱水症状などがある選手やコーチから食事相談の依頼があった場合は、直接指導をしたり、講座も行っています。食事のタイミングやバランスについてお話しすることが多いですね。

競技団体が実施する合宿時やふだんはメール等で栄養サポートの対応をしていましたが、より強くなりたいと要望が増えたため、対応しきれなくなってきたんです。そこで日本障害者スポーツ協会が指導者セミナーを始めまして、そちらで講義をしています。

東京都の多摩と王子にある障害者スポーツセンターでは、月に1回、栄養相談日を設けています。こちらで選手や一般の障害者の方々を対象に対応しています。

ガイド:
指導者セミナーとは?

内野さん:
障害者スポーツ指導者の資格です。初級、中級、上級、スポーツコーチの4種類あります。初級はどなたでも受講できます。中級からは指導経験が必要です。指導者を育てることで、栄養サポートのマンパワーを増やしたいと考えています。研修を受けた方が各々の現場で活躍し、選手にとって身近な環境でサポートしてくれることが狙いです。

最近は栄養士の資格を持った方の参加も増えていて喜ばしい限りです。スポーツトレーナーやスポーツクラブのスタッフとして働いている方も参加しています。

選手は地域ごとにある障害者スポーツセンターを利用しているケースが多いのですが、一般のスポーツ施設や大学と交渉して練習環境を確保しているケースもあります。ごくわずかですが、プロ契約をして企業から支援を受けている選手もいます。

次のページでは、栄養サポートの実際についてご紹介します!