記事「医食同源を伝える薬膳アドバイザー」でご紹介した、栄養士にも注目されている薬膳資格。取得後に自宅で料理教室を開催したり、セミナー講師へと活動を広げる人も増えています。自身の体調を薬膳や漢方でととのえた経験から、薬膳料理教室を開講した管理栄養士の瀧本靖子さんに、講師業務の内容や栄養士資格と両方を持つよさをうかがいました。

薬膳料理教室の講師の仕事

瀧本靖子さん
管理栄養士の瀧本靖子さん。国際中医師、フードアナリストの資格を取得。薬膳料理教室では西洋と東洋の両面から食と健康をとらえて講義を行う
ガイド:
どのような業務をしていますか? 仕事全般を教えてください。

瀧本靖子さん:
薬膳を自宅で教えています。薬膳は医食同源の考え方で、病気を防ぐ料理です。食材の性質を考えて料理に使うことで、食事が薬のような役割を果たすので、それについて講座を行っています。

講座は毎回のテーマにあわせて、中医学の理論に基づいた薬膳の考え方を1時間お話した後、調理のデモンストレーションを見学していただき試食を行っています。テーマは夏であれば暑さ対策、秋は夏の疲れ解消など、季節の特性に伴う体調を考慮した内容を設定しています。自宅以外にカルチャーセンターやサロンなどでも講座を開いています。

結石、痛風、高血圧、メタボリック症候群、尿酸値が高いなどでお悩みの方や、ご家族を対象に「脱メタボコース」も行っています。希望者に食箋指導も行っています。これは体調や体の悩みを聞いて、中医学的な見地から生活改善や食事法をアドバイスをするものです。体質改善のための個別レシピも提供しています。

講座のほかには、薬膳料理のサービスも行っています。体質や体調を事前にお聞きし、気候にあわせて旬の食べ物をとり入れた、オーダーメイドの薬膳料理を作って提供しています。また中華レストランに薬膳料理のメニューの提案もしています。

ガイド:
薬膳の仕事を始めたきっかけはどんなことですか?興味を持った理由も教えていただけますか?

瀧本さん:
高校時代に、将来、タカラジェンヌになって舞台に立ちたいな、と思っていたのです。それで宝塚音楽学校の受験を目指してバレエを習っていまして、先生から「痩せなさい」と言われたんですね。それがきかっけで痩せるにはどうしたらいいかと考えて、食事の管理が必要だから栄養学を学んでみようかなと思いました。それがだんだんとおもしろくなって食の道を志すようになったのです。

大学では栄養学や食物学を学び、管理栄養士が経営しているベジタリアンレストランでアルバイトもしました。大学卒業後は食養生や漢方で治療をする病院に就職しました。その病院は生活習慣病やアレルギー疾患などに、食養の食事療法で対応していたんです。食養は東洋的な考え方を取り入れ、気候風土や日本人の体質等を考慮し、食品の持つ力を重視した食事の仕方です。

また自分自身もアレルギー性鼻炎で薬が手放せなかったのに、薬膳を試すようになって症状がおさまり、体調がよくなったこともあります。そんな経験から、東洋的な考え方の食事、薬膳や中医学にとても興味を持つようになりました。

次のページでは、管理栄養士資格を持つよさについてご紹介します!