3月11日(火)
施設介護の向き、不向き
2日目は、入浴介助の実習。……なんだけど、結局、ずっとドライヤーかけだった。それはそれでよかったけど、前日、同じ施設で入浴介助の実習だったクラスメートから、実際に洗う作業や着脱もやらせてもらったと聞き、もっといろいろやらせてください、と頼めばよかった、と後悔。実習の時は遠慮してはダメだな、と思った。
ところで、その入浴介助で感じたこと。
機械浴などの特別浴でも一般浴でも、洗い場の担当の職員の方たちはたいへんそうではありつつも、話をしたり、一緒に歌を歌ったりして、何となく和やかそう。でも、着脱を担当していた職員の方は大忙し! 特別浴では、機械が3台だけど、着脱用のベッドは2台。「次、あがっていいですか」と、次々声がかかるからたいへんそうだった。
ヘルパー講座で着脱介助を習ったときは、「何度も向きを変えないですむように」「そんなふうにしたら痛いですよ」と、利用者本位を言われ続けたけれど……。施設ではゴロンゴロン転がしておむつを当て、シャツを着せてた。現場では、ヘルパー講座で習ったようにはいかないんだな、と実感。
直前に在宅の実習をやったせいか、施設介護と在宅介護の違いを非常に強く感じた。なにより私自身が、一見、無表情に見える大勢の入所者が並んでいる様子を見て、在宅で利用者に対するときの心構えと、最初から違ってしまっていたような気がする。そして、どこかでそれを引きずりながら、とにかくあの人にもこの人にもお茶を飲ませなくては、ドライヤーをかけなくてはという、作業をこなすかのような接し方をしてしまっていた気がした。
初日に指導してくれた職員の方は「施設だといろいろな高齢者を見られるから、学ぶものが多いと思って就職した」と言っていたし、その通りだと思う。でも、私のように、介護対象が大勢になった途端、「個」に対することより、言葉は悪いけど、「大勢」をさばいていくことに気をとられてしまうタイプは要注意。
一人ひとりときちんと向き合う気持ちを持たないと、流されてしまう危険があるような気がした。たった2日の実習でえらそうに言うべきことではないけれど。
また、在宅の実習では、ヘルパーの方からいろいろ話を聞く余裕があったけれど、施設では忙しくてあまり職員の方から話を聞く時間がなかったのが残念だった。一般によく言われることだけど、施設はやはり時間に追われている、という印象を受けた。しかしそれだけ、いろいろな高齢者に接し、さまざまな実務経験を積めて、介護技術も、会話の技法も、とにかく身に付くものは多いだろうなと思った。
じっくり接することができる在宅は、利用者との相性がよければいいが、悪いとつらい。いろいろな人と接することができる施設は介護技術は身に付くが、時間に追われる側面は否めない。就職の際には、それぞれの良い点、悪い点、自分がどちらに向いているかをよく考えることが必要だ。
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