ラグビー選手への栄養サポートの特徴は?
練習後クラブハウスで体重、体脂肪率を計測し、選手から食事の相談に対応。「疲労回復、水分補給、体作りなどの面からも栄養士のサポートは必要。選手の食への意識は高まった。今後はより科学的なサポートも求める。」と細谷監督からのコメント。 |
運動する身体を理解することが、スポーツをする人の栄養サポートには必要ですよね。ラグビー選手の場合は主にどんな特徴があるのですか?
菊池さん:
ラグビーは体を接触して戦うスポーツなので、体がぶつかることに強く、走ることもできる体づくりを考えます。つまり体脂肪は減らしても体重は落としたくない、体重は増やしても走れるようにしておきたい、ということですね。ケガの予防や回復も気遣わなければなりません。選手からは体脂肪率や適正体重について相談を受けます。
選手が偏った食事をしていないか、食事をとっている時間帯も注意して聞いています。持久力や瞬発力を発揮するためには、バランスよく食べることや、大きくなった体を維持するために補食を取ることが大切です。簡単に作れる料理や水分補給についても提案していますよ。
ガイド:
サポートを続けていて選手にどんな変化がありましたか?
菊池さん:
毎年意識調査を行っていますが、選手の食事に対する意識は高くなってきています。中には自ら食事を記録してきた選手もいて、毎週、私が確認してアドバイスを行った結果、選手が望む体とパフォーマンスを手に入れられたときはとてもうれしかったですね。食事は誰にとっても重要なことですが、スポーツ選手はスタミナやパフォーマンス向上にダイレクトに表れます。
チームを訪問したときは、食事について少しでも参考になればと思って選手と会話しています。選手の食事はさまざまですが、選手のポリシーを尊重してその人にあう提案をするよう心がけています。
ガイド:
その他のクリニックやジュニア選手への栄養指導についても教えていただけますか?
菊池さん:
サッカー部に所属する小学生や高校生にバランスのよい食事や補食について話したり、運動をする子ども達の食事について小学校教諭、保護者に話すこともあります。スーパーマーケットの売り場で小学生に野菜・果物の栄養素の説明をしたこともあります。直接、人と接して食事について話す仕事は楽しいですよ。
クリニックでは、生活習慣病の人に対して運動や食事の指導をしています。腰痛がある方や体を動かしにくい方もいますので、椅子に座ったままできる体操や、畳の上でできる体操も提案しています。どんな体の状況でも無理なくできる運動を一緒にやっているんです。
ガイド:
栄養と運動関連を中心に活動しているのですね。
菊池さん:
もともと体を動かすことが好きだったので、運動する方々と関わった仕事をしたいと考えていました。食べることや料理も好きで、食に関心があったので栄養士を目指し、スポーツ分野で活動したいと思っていたのです。
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