介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

栄養士の仕事に生かすコーチング(3ページ目)

食事のカウンセリング、栄養指導の現場では、食意識・食行動の変容をサポートすることがもとめられています。今回はコミュニケーションスキルとして、最近よく取り入れられているコーチングについてご紹介します。

執筆者:大石 淳子

食事のカウンセリングや食育に役立つコーチングスキル


コーチング
カウンセリングはクライアントの話を傾聴して信頼関係を築くことが大切。家族や友人、職場での会話にコーチングを取り入れて練習してみては?
ガイド:
信頼関係を築く「ラポールをかける」にはどうやって会話をしたらよいですか?

あくつさん:
「うんうん」「はい」「へぇ~」「なるほど」などの相づちを打ったり、クライアントの話を引き出すために「それで?」「それから?」「ほかには?」と接続詞をつかって話していきます。

クライアントが話す言葉をくりかえすオウム返しというスキルもあります。例えばクライアントが「忙しくてほとんど外食なんです。」と言ったら、「忙しくてほとんど外食なんですね。」と返します。その後に「そうなんです。だから食事がかたよってしまって。」と続いたら、「あ~、だから食事がかたよってると思っているのですね。」と、同じ言葉をくりかえします。このように聴くと、クライアントは自分の言ったことを相手が理解してくれたんだな、という印象をもつようになるのですよ。

そして言葉以外に雰囲気作りが大切です。人は言葉だけでコミュニケーションをとっているのではないのですよ。ボディランゲージなど言語以外の情報の93%が、コミュニケーションに影響しているのです。

姿勢は相手を受け入れる態度になっているか?腕組みや足を組むのは控えましょう。お話する場所の照明、音楽、香りなどはクライアントに影響を与えるので、ここちよいものにととのえましょう。話すときは相手がリラックスできる目線、角度を心がけ、クライアントから45度くらいの位置にすわるのがよいでしょう。

ミラーリングといってクライアントの表情や動作と同じ動きをすることや、ペーシングといって話し方の速度やリズム、声のトーン、視線を相手にあわせる技法もあります。

聴くときは、自分の価値観に左右されることなく聞かなければならないですね。会話をしながらクライアントの長所や個性、持ち味、魅力などの強みを見つけて、そこに焦点をあてて聴くといいですよ。沈黙になったときは、クライアントが考えなければならない時間としてとらえて、質問しないで待つことも大切です。

そんなことを意識しながら、家族や友人、職場などあらゆるコミュニケーションに、実際のカウンセリングにも活用して練習してください。意識して何度も行っていると身につきますよ。


次のページでは、コーチングスキルの問いかけについてです!
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