食や健康についての知識や、カロリー計算・調理などの技術を持っていれば栄養士・管理栄養士としてキャリアアップしていけるのでしょうか? 記事「栄養士・管理栄養士に吹く追い風」でご紹介したように、栄養士・管理栄養士の活躍の場は広がってきています。
今回はワンランク上の栄養士・管理栄養士になるにはどのような力が必要なのか、探っていきます。
人とかかわる仕事だから、コミュニケーション力をアップ
ワンランク上を目指して進んでいこう。 |
よって、ワンランク上を目指したいのであれば、コミュニケーション力は必要不可欠。栄養士・管理栄養士の仕事は、基本的には「サービスをする仕事」だと考えるとわかりやすいでしょう。
もっと詳しく、コミュニケーション力が栄養士・管理栄養士にどう役立つのか、仕事別に見てみましょう。
■栄養管理・カウンセリング
栄養指導やカウンセリングの現場では「食」についてわかりやすく説明し、相手のライフスタイルに合う提案をしていかなければなりません。アドバイスするのが1回のみで終わることもあれば、長期間にわたって行い、食生活を支えていくケースもあります。そのためには相手の食事やライフスタイル、考え方を理解するために、話を聴き信頼関係を築いて継続していかれるようにコミュニケーションをとる必要があります。
メタボリックシンドローム対策や食育など、食生活に関するカウンセリングやアドバイスの仕事は今後さらに必要とされ増えていくと思われるので、栄養士・管理栄養士には知識だけではなく高いコミュニケーション能力を身につける必要があり、それは仕事がスムーズに進むことへつながるでしょう。
■チーム医療
病院や福祉施設では栄養管理が行われています。これは栄養サポートチーム(NST)、栄養ケアマネジメントといわれるもので、一人一人の身体状況や栄養状態を把握し改善するよう、チームを組んで対応していくものです。施設によってその体制は様々ですが、医師、看護師、理学療法士、歯科医師、歯科衛生士などとチームを組む場合があり、栄養部門以外のスペシャリストとそれぞれの専門知識を生かして、意見交換をしながら業務を進めていきます。他職種との連携が必要不可欠なので、コミュニケーション能力が高ければ、チームでの仕事がスムースに進められるでしょう。
■フードサービス
フードサービスの現場では、栄養士・管理栄養士がリーダーとなって業務を行い、責任者となるケースが多いです。安全でおいしい食事サービスを行うために、食材の管理から衛生面、料理の盛り付け、サービスの仕方などあらゆる面で状況を把握し、スタッフに対して指示を出し、まとめていく役割があります。現場ではさまざまな年齢やバックグラウンドを持つ人々と一緒に仕事をするので、コミュニケーション力が高いと仕事が行いやすくなります。コミュニケーションが上手く行われていれば、食数や料理内容の変更など急な事態に対応しやすくなるでしょう。キッチン内の協力体制をととのえることは重要なのです。
また会社の食堂や施設など、どこの現場でも栄養士・管理栄養士は「食」部門の窓口となるので、他部門スタッフとのコミュニケーションは不可欠です。
他にはどのような力が必要なのでしょうか?続きは次ページで!