コンサルタントで働く/コンサルタントの仕事

コンサルタントと医師の違い(3ページ目)

コンサルタントは企業の医者であるとよく表現されることがあります。これについては、なるほどと思う反面、かなり違うと思う点もあるんです。

執筆者:大石 哲之

コンサルティングのステップ

一般的なコンサルティングのプロセスを見てみましょう。だいたいどのようなプロジェクトであっても、次のようなステップを踏みます。(括弧内は、医者になぞらえたものです)

  1. 課題のヒアリング(病状のヒアリング)
  2. 問題点の共有、問題意識の共有
  3. リサーチ(触診、レントゲン等診察)
  4. 現状の報告、問題点の指摘(診断結果報告、説明)
  5. 解決策の提示(どうすれば治癒するかの説明。薬の提示、服用の方法、薬理作用の説明)
  6. 具体的解決のサポート(リハビリ、服薬支援など)

私がかかった医者は、1.だけやって、いきなり5.です。医者の頭の中では2.~4.までは考えているのでしょうが、めんどくさいのか、伝えても無駄だとおもっているのか、あまり説明はありません。しかも(5)は、薬をもらっただけで、なぜこの薬を飲むのか?この薬は何に作用して、どういうロジックで病気を治すのかといった説明が皆無です。

私の胃は、どういう状態だったのでしょうか。診察でなにが判明したのでしょうか。なにが分かって、なにが分からないのでしょうか。病状にどういう可能性があり、最良の場合と、最悪の場合はどういうケースなのでしょうか。それぞれのケースに対して、どのよう治療オプションがあり、それぞれの結果はどうなるのでしょうか。そのための費用対効果はどうなのでしょうか?

そういうことを1づつ事実に基づいて提示し、顧客と認識を一致させ、問題の解決に共同で取り組むのが、コンサルティングのプロセスです。

コンサルティングでは、なにより途中のプロセスが大事です。なぜ、そうなのか?どうして、そうなるのか?きちんと順序だてて、論理的に課題を指摘し、解決策を提示します。そこが重要です。それが、お客さんの納得感を得ることになるのですね。

例え実行してみてあまりうまく行かなかったとしても、納得感があるとなしでは、全然違います。アイデア一発や、途中のプロセスをぬかして「これやってみましょう」ということは、コンサルティングではあり得ません。
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