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「青年海外協力隊」の理想と現実(後編)

開発現場での理想と現実。必ずしも思ったとおりにいかないことだらけのなかで、ひとりひとりやりがいを見つけていきます。一方、帰国後のメンバーはどんな道のりをたどるのでしょうか?

執筆者:須子 はるか

開発現場での理想と現実。必ずしも思ったとおりにいかないことだらけのなかで、一人ひとりやりがいを見つけていきます。一方、帰国後のメンバーはどんな道のりをたどるのでしょうか?


≪前編≫
青年海外協力隊とは
協力隊を志願するまで
見逃せない採用のポイント
≪中編≫
現地での仕事内容は?
仕事のやりがいは?
現場での試練
≪後編≫
帰国後と今後の展望
同じ分野の仕事を目指される方へのアドバイス


帰国後と今後の展望

帰国後と今後の展望
海外協力から帰国した協力隊。次のステップは?
前・中編に引き続き、青年海外協力隊に参加したSさんの体験談からお伝えいたします!

***

2年間の任期終了後は当初の予定通り休職前の職場に復職しました。休職前は国内製品担当だったのですが、復職後は海外経験を買われ同じ職場の海外製品の担当になりました。

しかし、協力隊時代に芽生え始めた国際協力のプロという新しい夢が頭をもたげ始め、2年3ヶ月務めた後に円満退職しました。現在は、日本人が国際公務員になるための実質必須条件である海外での修士号取得のためにカナダの大学院に留学中です。医療機器の開発から少し進路を変え、環境に優しい工業製品設計について勉強しています。

現在の修士課程終了後はメーカーに就職して設計者としての実務経験を積もうと考えています。十分な実務経験を得た後に、国際公務員として途上国での持続可能な工業製品設計の仕事をしたいと考えています。

感傷的な話になってしまいますが、夢に終わりはありませんね。協力隊はかつての夢でしたが、今では過去の現実です。楽しかったことも辛かったことも含めていい勉強になったと思います。今は国際公務員という新しい夢を求めています。

カナダ留学は将来の夢の実現のために必要な手段ですが、ある意味で小さな夢と言えるかもしれません。今の生活は7年前の自分には想像もできなかった世界です。もし希望通り国際公務員になれたとしたら、それもきっといつかは過去の現実になり、新しい夢を求めるのでしょう。

夢は見るものでも語るものでもなく実現させるものです。

次のページでは、Sさんから青年海外協力隊を目指すあなたへのアドバイスをいただきました!
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