前回は「青年海外協力隊」の概要をお伝えいたしました。今回は、実際の仕事内容、そして現場の光と影について体験談を交えてお伝えしたいと思います。本気だからこそ知っておきたい内容です。


≪前編≫
青年海外協力隊とは
協力隊を志願するまで
見逃せない採用のポイント
≪中編≫
現地での仕事内容は?
仕事のやりがいは?
現場での試練
≪後編≫
▼帰国後と今後の展望
▼同じ分野の仕事を目指される方へのアドバイス


現地での仕事内容は?

現地での仕事内容は?
トンガの病院に派遣されたSさん。実際の現場はどんな様子なのでしょうか?
前編に引き続き、青年海外協力隊に参加したSさんの体験談からお伝えいたします!

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私の仕事はトンガの主幹病院であるVaiola Hospitalの保守管理課(Maintenance Workshop)で医療機器のメンテナンスの仕事をしながら、現地スタッフに医療機器メンテナンスの技術を教えることでした。

仕事の背景について簡単に説明しますと、トンガの病院には日本やオーストラリアから医療機器が寄付されていたのですが、その多くが機能していなかったり使いこなされていませんでした。日本では考えられないのですが、中古の医療機器が多く使われていて、頻繁に故障していました。現地の技術スタッフでは対応しきれず協力隊への要望が挙がり、私がトンガの初代医療機器隊員になりました。

実際には、医療機器以外にも何でも修理していました。クリスマスツリーの電飾からエレベーターまで修理していました。

仕事のやりがいは?

この仕事は常にジレンマとの戦いでした。私がするべきと考えていたことは現地スタッフに技術を教えて私がいなくなっても彼らだけで仕事をこなせるようにすることでしたが、彼らが私に求めていたことは自分たちで出来ないことを替わりにしてもらうことでした。それだけしていて2年間の任期を過ごしても良いのですが、後には何も残りません。「どうして彼らは協力隊に技術協力を要請しておいて自分で勉強しようとしないのだろう?」と思っていました。

お恥ずかしい話ですが、彼らに勉強することの必要性を教えることも含めて私の任務なんだと気付くまで数ヶ月かかり、さらにそれを教えるのは言葉じゃなく態度なんだということに気付くまで1年かかりました。もちろん、そのことに気付くまでの間も、私の態度は少しずつ彼らに影響を与えていたと思います。後になって思えば、そうした葛藤の中にやりがいを感じていたんだと思います。

次のページからは、さらに突っ込んでSさんがぶつかった壁についてお伝えしたいと思います。