雇用不安が広がる昨今、「会社や配偶者に寄りかからない生き方」について考える方も多いのではないでしょうか。今回は、これまで積み重ねてきた知識や経験を活かせる職業として「講師」という働き方を見てみましょう。

お邪魔したのは、ビジネスマナーガイドでもおなじみの美月あきこさんが主宰するCA-STYLEインストラクター養成講座です。まず、美月さんに「講師のお仕事」についてうかがってみました。

子育てと両立できる「講師」は女性にぴったり

川崎:「講師」というと、なんとなく特別な人がするものというイメージがありますが、いかがですか?

美月あきこさん 国内航空会社、英国系航空会社にて国際線を乗務。その後アメリカに留学。帰国後、都内にCA-STYLEを主宰。女性のキャリア創出の一環とする講師養成講座を開講。その他現役・元キャビンアテンダント3,900人のネットワークを持つ「空飛ぶマーケッター」(「3つの眼」で「女性顧客層に愛される接客サービス」を目指しCS調査・ミステリーショッピングなどを行う。全国の企業団体からの依頼が多い。自身はUSCPA(米国公認会計士)でもあり、パートナーUSCPAと共に米国に会計事務所運営にも携わる。 2008年の講演回数は88回。
美月あきこさん:私は、女性にぴったりなお仕事ではないかと思っているんです。というのも、自分のスケジュールで予定を組めますから、主婦の方や子育て中の方にも無理がありませんし、問題になっている雇い止めや定年も無関係です。もちろんリストラもありませんし、毎朝、通勤のために満員電車に揺られることもありません。これほど女性のワークライフバランスを満たすお仕事はないと思います。

川崎:美月さんのスクールでは、「スター講師」を育てるとのことですが、「スター講師」とはどういう人のことを指すのでしょう? 今まで専業主婦だったという人でもなれるものですか?

美月さん:講師になること自体は、非常に簡単なんです。「講師」と書いた名刺を作り、「私は講師です」と名乗ればよいだけですから(笑)。でも継続的にオファーが来るかどうかは別問題。逆に「スター講師」とは、話し終えた瞬間に拍手喝采が起き、受講者の方からたくさん感謝される講師のこと。このご時世にもかかわらず人気のある講師には、高額なギャランティで仕事のオファーが、ひっきりなしに入ります。

養成講座では、せっかく講師の仕事を始めたのに開店休業状態では意味がありませんから、一生の仕事にしていくために継続的に仕事をしていける実力を持った人気のある講師を目指しています。

講師に向いている人向いてない人

川崎:専業主婦だった方でも大丈夫とは心強いですね。講師に向いている人、向いていないなど「資質」については、いかがでしょう?

「講演の緊張感は、ゾクゾクしながらも、なかなか気持ちの良いもので、ヤミツキになります」
美月さん:「講師に向かない人」なんていないんですよ。ただ「地図」通りに最終目的地に到着するのがプロのお仕事。いつ、どのタイミングで行っても講師としての一定で均一な品質は保たなくてはなりません。そのためには、ある程度の理論=方程式を知る必要があります。人には何パターンかの感情曲線があり、その曲線を見据えたプログラム作りが必須となる訳です。プログラム作りのノウハウさえ知れば、あとは自分エッセンスを付加していくだけです。

「専業主婦だし、特別なことをしてきたわけではないから、人に話すことなんてない」という人もいると思いますが、主婦はまさに学びの連続。節約や整理整頓、子育てなど、新たに勉強しなくても話す内容、つまり"種"は、どなたでもご自分の中にあるはずですよ。

その人らしさを活かせるということも大きいと思います。例えば某家電製品のネット通販の社長は、方言のアクセントはそのままだし、絶叫系(笑)。でも、ついCMを見てしまいます。それこそが彼の魅力。彼の持っているものが活かされているいい例です。彼が標準語で淡々と話していたら魅力は半減しませんか? 特別な資質よりも、「自分らしさは変えずに、自分の持っているものをどう活かすか」が大切なのです。さらに言うと失敗が多い人の方が、話を聞いている人の共感を得やすいですね。

「特別な資質は必要ない」なんて、ちょっと希望が持てますね。では、どういうことを学んでいかなければならないのでしょう?