女性の転職/女性の再就職・職場復帰

バランスビューティ 中井美穂さん 前編(2ページ目)

フジテレビの女子アナウンサーとして人気を集め、野球選手の古田敦也さんとのご結婚。現在は、フリーとしてスポーツ番組のキャスターや雑誌などでご活躍されている中井美穂さんがご登場です。

執筆者:川崎 あゆみ

ド素人なのに、スポーツキャスター?!

―(ガイド)フジテレビでは入社2年目で「プロ野球ニュース」を担当されました。もともとスポーツはお好きだったのですか?

スポーツ番組は、スポーツ経験があるとか、憧れがある人がやるべきものだと思っていたので、「なんで私が?」という感じでした。
いえ(笑)。小さい時からスポーツをすることには全く興味がありませんでした。運動神経もよくないし、「汗・努力・涙」なんて恥ずかしいと嫌悪感さえ持っていたほど(笑)。中・高はほかに入る部がなかったからという理由で演劇部でしたし。入社1年目は、トークバラエティとか深夜の新着ビデオの紹介、夕方のニュース番組などのリポーターをしていたのですが、2年目の4月からいきなり「プロ野球ニュース」と言われました。もう寝耳に水です。「ハ?!」みたいな。何で私がと。

周囲の人の支えがなかったら続かなかった

―(ガイド)苦手なスポーツ。番組を担当すると決まったときは、かなり勉強されたわけですか?

最初は、何もわからない状態だったので、誰が偉い人なのかもわからない(笑)。物怖じすることなくやっていました。
司会は野球解説者の方3人がご一緒でしたから、「わからないことは何でも聞いて。すぐ答えるから」と心強かったです。男性のスポーツアナウンサーの方もすごくよく教えてくださいましたし。「プロ野球ニュース」は、非常に伝統のある番組でしたから、大学を出てまだ1年しかもスポーツも全然知りませんという子を入れて大丈夫なのかと、周りの人が不安だったと思うんですね。球場に行っても「今度プロ野球ニュースをやる中井です」って紹介して下さったり、とにかく周りの人に助けてもらっていました。

選手を覚えると言っても、1軍と2軍の選手を合わせたら1チームでもすごい人数だし、いつも帽子を被ってて顔は見えないし。常に選手名鑑を持って、見ては「あの人は……」とブツブツ言いながら覚えていました。ユニフォームの背中にある名前を見ればいいんですけど、ジャンパー着られるともうお手上げ。「どっかに背番号書いてないかなーって盗み見て、あ、9番!」とか(笑)。

何年か経って慣れてくると、今度は「最近、失敗しないからつまらない」と言われるようになってしまったんです。「何年もやっていれば、さすがの私も上達するさ」って思っていましたけど。結局、見ている方全員を満足させることなんて、あり得ないんですよね。最初から好意的に迎えて下さった方もいれば、「冗談じゃない。なんで技術もない、素人をオンエアに出すんだ」という批判も同じくらいありました。だから、周囲の人やアナウンサーの先輩によく相談しましたよ。みんなとっても優しくて、やっていけたのは、周りの人のおかげです。8年9か月、フジテレビにいたんですけど、本当に楽しかったです。


大きなチャレンジとなったお仕事で、ご苦労も多くあったようですが、その後、当時ヤクルトスワローズの古田敦也選手とご結婚されます。「スポーツ選手の妻は、仕事をしないもの」と“勝手に”思いこみ、退職されたという中井さん。結婚後の生活は?
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