Aさんの行動に見る4つのミス
この日のAさんの行動には、4つのミスがあると考えられます。
<ミスその1 確認の怠り>
朝一番に本社からかかってきた電話でAさんは大きく時間をロスしています。
でも、これは、FAXの枚数が足らなかったというもの。
FAX送信時の重送が原因ではないでしょうか。
自動給紙のFAXは用紙をセットして放っておく人も多いようですが、送信を確認していればこの電話はなかったはず。
ほんの一瞬の確認の有無が、その後の仕事の効率を大きく変えてしまうのです。
<ミスその2 判断の甘さ>
ふたつめのミスは、9時30分からの会議の資料を9時に出社してから用意しようという判断です。
準備そのものは30分もあればできることなのでしょうが、仕事はひとりでしているわけではありませんから、いつ、どんなアクシデントがあるかわかりません。
アクシデントが起こっても間に合うような予定を立てておく必要があるといえるでしょう。
現に、Aさんは本社からの電話で予定が狂ってしまい、資料に不備が発生。
結局、資料がきちんと準備されていれば必要なかった仕事をしなければならなくなっています。
<ミスその3 反応の遅さ>
Aさんは、昼食前に営業スタッフからの電話に対する折り返しができたのにもかかわらず、食事を済ませてからにしています。
その結果、営業スタッフが外出してしまい、夕方から急ぎで資料を用意することに。
もちろん、すぐに折り返しの電話をしたら必ずつかまるというものではありませんが、相手をつかまえられる可能性は高いはずです。
<ミスその4 自己中心的「伝えたから大丈夫」>
Cさんへの依頼メールに対して、Aさんは「会社のアドレスに送るように」と書いたから当然、会社にアドレスに送られてくるものと思っていたようですが、忙しかったCさんはそのコメントを見落としています。
自宅からの送信は仕方がないかもしれませんが、「ひょっとしたらCさんが間違えるかもしれない」と思えば、翌日、電話でフォローをするなど、今回のような事故を防ぐ方法はあったでしょう。
「言ったから(書いたから)大丈夫」ではなく、「伝わったかどうか」が重要。
ここを間違えなければ、こうした行き違いは防げるのでは?
例として挙げたAさんのミスは本当に些細なこと。
その時その時にちょっとだけ気を使っておけば、余計な仕事も発生しません。
一瞬のひと手間が自分を楽にすると考えましょう。