女性の転職/女性の再就職・職場復帰

パートに関する法律 どこが変わった?(3ページ目)

2008年4月からパート労働法が改正され、施行されます。正社員とパートの待遇格差を是正するための改正ということですが、どんな人が対象となるのでしょう。そして、その中身は?

執筆者:川崎 あゆみ

このパート労働法の改正は、政府が打ち出した「再チャレンジ」の一環だそうですが、今、日本で働くパートの95%が「正社員並みのパート」ではないことを考えると、この改正は、どこまで意味のあるものなのかと思ってしまいます。また、パートの中にも、段階がつけられてしまうという感は否定できません。その他いろいろなところで指摘されている問題点を見てみましょう。

正社員並みの待遇を受けたい。でも

社員食堂や休憩室も使わせてもらえていないパートの方がいた?!
■正社員の条件である、「転勤」を受け入れられますか?

正社員への転換策を作っても、正社員になるには「転勤」も覚悟するということ。正社員として働きたい人は、大勢いますが、家庭のある主婦で応募しようとする人が、どれだけいるのでしょうか。

■正社員並みパートでも、普通のパートでもない。フルタイムパートとは?

「正社員並みのパート」の条件は、「無期」の雇用期間が条件です。でも、正社員と同じか、それ以上の時間働くパートでも、「有期契約」であるということで、対象からはずれてしまいます。こうした人たちのことを、「フルタイムパート」と呼び、03年の厚生労働省の調査によると、その数103万人もいるそうです。

■正社員への影響

今まで「正社員」として働いてきた人を「転勤」ができないからと言って、パート扱いにしてしまうケースも考えられます。つまり、パートの待遇改善をはかるのと引換えに、正社員の待遇を引き下げる企業が出てくる可能性があるということです。



1人でも多く、希望通りの働き方ができるといいですね
再就職をするなら、正社員でと望む方は多いのですが、働ける時間などの問題で、パートとして働く人はとても多く、正社員との待遇の差を少なくするという今回の法律の改正には、みなさん関心をお持ちではないでしょうか。

ご覧頂いたとおり、正社員と同じ待遇を受けられるパートの方は、まだまだ一握り。でも最近は、パートの求人募集をしても、正社員への転換制度がある企業に人が集まる傾向が出てきているようです。

また、企業側から見ても、転換制度があることで、パートの方たちがモチベーションを持って働き、それによって仕事の質が上がるということ、また、既にパートとして働いていた人なら、その人の能力や人柄がわかっているので、正社員に採用しやすいなど、企業にとっての利点もあるようです。

ただし、正社員とパートの間の差ではなく、パートとパートの中で格差を生み出しかねないということも危惧されています。厚生労働省では、正社員の労働条件を一方的に下げないということ、フルタイムパートに配慮することを指針で求める方針では、あるようですが、実際にこの改正によってどのような変化が起きるのか、しばらく関心を持ち続けていきたいと思います。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で転職関連の書籍を見るAmazon で転職関連の書籍を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます