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どうしてる?放課後の子どもたち(3ページ目)

働く母親を悩ます「小1の壁」。既存の学童でもない、ベビーシッターでもない、新しいタイプの民間の学童施設が登場。「キッズベースキャンプ」の島根事業部長にお話をうかがってきました。

執筆者:川崎 あゆみ

KBCを求める理由は、いろいろ
ワーキングマザーたちの期待は、どこに?

母親"
「放課後の時間をどのように過ごすか」この壁を乗り越えられず、せっかく築いてきたキャリアをあきらめる人も多い。
川崎:なるほど。学童に頼らざるをえない方も多いと思いますし、また学童では、規定の時間の後、母親が帰宅するまでの時間が不安だという方も大勢いらっしゃいますよね。

今回のKBCの立ち上げに関して、ワーキングマザーの方々にもいろいろご意見をお聞きになったとか。どんな反応でしたか?

島根:フルタイムで仕事をしていて、なかなか定時にオフィスを出ることができない、急な残業や会議が入り、お迎えができないという方はもちろん、さらに、お子さんが、私立または国立の小学校に通われているために、地元にお友だちがいないという方もいらっしゃいます。

また、お母様ご自身も、地元でのネットワークお持ちでないという方が、地域でのコミュニティを求める形でのお申し込みもあります。実際、お申し込みを頂いている3~4割の方は、私立・国立小学校に通うお子さんの保護者です。

KBCは、スポットでのご利用も可能なので、フルタイムで働いている方だけでなく、パートタイム・派遣・SOHO・自営業・専業主婦の方から、たくさんのお問い合わせを頂いています。

今までベビーシッターや託児所を利用してきたけれど、お子さんが大きくなるにつれて、学童がつまらなくなってきて行くのを嫌がるという方、あるいは、今まで主婦業と子育てに専念してきたけれど、そろそろ働きたいと希望される方も少なくないです。

川崎:イベントの中には、大使館の訪問やボランティア活動もあるようですね。こうしたところに既存の学童とは全く違うプログラムが用意されているとお見受けしましたが。

島根:日本の画一的教育制度の中では、職業観などを持つことがないまま、大きくなって教育を終えるケースがほとんどです。でも社会に出てからはじめて社会を知り、それから本当に勉強したいという気持ちが出てくることは、よくありますね。

もし、子ども時代から様々な社会体験や職業体験をしていれば、小さいうちから職業観をもち、学ぶことへの意識が変わっただろうと思っているんです。そのうち、KBCで多彩なプログラムを開きたいと思うようになったのです。

放課後は、消費ではなく、”投資”という
意識で子どもたちを育てていきたい

斜めの関係"
学年の異なるお友だちと一緒に遊んだり、宿題を見てもらったりして過ごす時間は、貴重な経験に。
川崎:KBCをこれから本格始動するにあたっての、島根さんの抱負をお聞かせください。

島根:KBCは、共働き家庭の育児を支援する事業に加えて、子どもたちの放課後を消費から投資の時間にしていきたいと思います。キッズベースキャンプで時間を過ごした子どもたちが巣立って、将来の社会を支える人材となり、その子なりの成功を収めて欲しい。子どもたちがそれぞれの登りたい山に登るためのベースキャンプのような存在になりたいと考えています。

川崎:学童の機能のみならず、地域での子育ての場としての役割も果たしていこうという使命感を感じますね。「生きる力」みたいなものを育んでいくという感じでしょうか。

島根:そうですね、社会につながる「人間力」「生きる力」を育成するために、「コーチング」と「コミュニケーション」の2つの要素に力を注いでいます。

「コーチング」については、低学年のうちから何でも良いから自信を身につけて欲しいので、キッズコーチは、子ども1人1人を褒め、勇気付け、ポジティブに動機づけしていくようにしていきます。

「コミュニケーション」については、昨今は、兄弟も少なくなってきていますし、従弟も1人もいない、地域のガキ大将もいないという状況においては、子どもは親との縦の関係と学校の同級生との横の関係しかありません。

異学年との交流がないから斜めの関係が希薄になっています。でもKBCには、小学1年~6年生までの全学年を対象に、異なる幾つかの小学校の子どもたちが集まるので、新しい社会に適応する力を身につけていくことができると思っています。

川崎:なるほど、子どもを見ていただくには、理想的な場所になりそうです。全国から「出店して欲しい」というメールが殺到しているのもうなづけますね。今日は、お忙しい中、ありがとうございました。

さて次回は、「キッズベースキャンプ」の全容をご紹介します。お楽しみに。
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