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DINKSが「別居婚」に傾くわけとは?(2ページ目)

近年、別居婚という結婚スタイルを取る夫婦が散見されるようになっています。婚姻関係を維持しながら、互いに独立した生活を送るというものです。はたして、どういう理由によるものなのか、現状を探ってみました。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド

結婚と恋愛の「いいとこ取り」が別居婚


結婚したら男性は仕事、女性は家庭に専念するのが望ましいと思いますか?
  そう思う   30%
  そう思わない 68% 

人は結婚した方がいいと思いますか?
  した方がいいと思う 65%
  必ずしも結婚する必要はない 33%

上記は今年8月、読売新聞社が行った結婚観に関する世論調査の結果です。かつてのように、「男性は仕事、女性は家庭」といった考え方はだいぶ影を潜め、仕事観に対する男女の意識差が薄れていることが見て取れます。時代の流れといえるのかもしれません。

DINKSが別居婚を志向するのは、独身時代の自由・気ままさを結婚後も維持したいという理由によるものです。特に女性は結婚すると、家のことからご主人の世話まで、色々とやることが増えます。そのため、自分の仕事や私生活に支障を来たす心配があり、その結果、「結婚」という一種の社会的ステイタスは手に入れつつ、同時に、「生活の拠点を分ける」=「夫婦がお互いに自立する」ことで相手に拘束されない自由さも保持するという方法を選ぶようになりました。結婚と恋愛の“いいとこ取り”である別居婚を選ぶことで、「夫婦の縛り」から逃れようというわけです。

内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」(2007年9月)によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人は全体の44.8%。一方、その考えに反対する人の割合は52.1%と、1992年の調査開始以来、初めて反対派が過半数に達したそうです。調査元では「男女の役割分担を固定的に考える傾向に変化がみられる」と分析しており、こうした時代の変化が、別居婚を後押しすることにもつながっています。

別居婚の普及は、女性が自立し始めたことの証し


昭和61年(1986年)に男女雇用機会均等法が施行されてから22年、どうやら結婚のあり方は変わりつつある印象です。募集・昇進・福利厚生・退職などの男女間差別を禁止したのが同法ですが、均等法が少なからず一定の効果を見せたことで、キャリアウーマンが台頭。その結果、収入格差を初めとする夫と妻の不均衡が是正され、互いに自立した生活を結婚後も送るという別居婚の普及に弾みをつけることとなりました。

「そもそも結婚とは何か?」……こうした疑問は残りますが、家庭内別居のように冷めた関係で1つ同じ屋根の下で生活しても、そこには何ら「幸せ」は存在しません。むしろ、一定の距離を置くことで、いつまでも恋愛気分をキープできることの方が「幸せ」といえる気もします。

女性の社会進出に伴い、今後、別居婚というスタイルはさらに市民権を得るでしょう。お子さんが誕生した際、育児に支障がないのであれば、さらなる普及は歓迎したいと個人的には考えています。


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