自分の職場を見回してみてください。次々に新しい仕事を任され、忙しい毎日を送る人と、決められた仕事以上のことは任されず、変化のない日々を送っている人がいませんか?
年功序列の考え方を捨て、力のある人にチャンスを与えていこうという会社が増える中では、能力のある人に仕事が集まるという傾向が強まっていると言えるでしょう。
しかし、部下を持つ管理職や後輩の指導に当たる先輩社員に話を聞いてみると、同じように能力がある人でも、仕事を任せたくなる人とそうでない人がいるといいます。
仕事を頼まれる、任される=成長のチャンスを得る ということ。
声をかけられる存在になれば自然に仕事が集まり、自然にスキルアップできます。
逆に、その仕事をやり遂げるだけの力があるのに仕事を任せてもらえなければ、今以上の力をつけることができません。
そこで、力があることは分かっているけれど、仕事の依頼を躊躇してしまう人はどんな人なのかを、管理職や先輩社員に聞いてみました。
あなたは次の証言に心当たりはありませんか?
証言1)「自信なさそうに返事をされると、大丈夫かなと思ってしまいます」
◆事務・Aさんの場合
Aさんは決して能力が低いわけではなく、任された仕事をきちんと期日までに仕上げることができるし、内容も正確。だから、先輩は重要な仕事を彼女に任せようと思うことも少なくありません。
ところが、「この資料を○日までに仕上げてほしいんだけど」と頼むと、毎回、「あっ…、はい…。えっと…、多分できると思うんですけど…」という返事。
先輩いわく、「何でも安請け合いして、結局『できませんした』ってなるよりはいいけど、あまりにも自信なさそうに返事をされると、思わず、『やれるかどうか判断できないんだったら他の人に頼むからいいよ』と言ってしまいます」
◆ここがポイント!
時間的、内容的にやれると判断した仕事には、自信を持って「大丈夫です」と返事を。
証言2)「ここは間違えちゃダメ!というところにミスがあるのはつらいです」
◆庶務・Bさんの場合
いつもにこやかで、職場の雰囲気が明るくなると評判のBさん。取引先の人からも、電話の応対が気持ちいいとお褒めの言葉をいただいています。
ところが、折り返しの電話のメモに書かれている電話番号が間違っていて相手につながらない、お礼状を送ると相手の名前(漢字)が間違っている、顧客リストの整理を頼むと顧客名の入力が間違っているなどなど、数字や文字の間違いが目立ちます。
課長いわく、「誰にでもミスはあるものです。でも、この仕事においてここは間違えちゃいけない、というところのミスが繰り返されるのはちょっと…。細かいところでミスが多い、つまり注意力散漫な人に重要な仕事を任せることはできないですね」
◆ここがポイント!
数字、固有名詞の扱いには120%の注意を払って。
証言3)「机の上がぐちゃぐちゃだと、渡した資料がなくなるんじゃないかと思います」
◆営業・Cさんの場合
前向きに仕事に取り組むCさんは、自分が担当する業界について知ろうと一生懸命。いろいろな資料を集め、勉強に励んでいます。
ところが、机の上に乱雑に置かれた資料にいろいろなものが紛れてしまい、重要な契約書が見つからないなど、探し物をしている姿が頻繁に見られます。
先輩いわく、「勉強熱心な彼女に次の社内勉強会の資料づくりを頼もうと思ったけど、あれだけ机の上がぐちゃぐちゃじゃあ、資料作りに必要な重要書類を紛失されてしまいそう。結局、別の人に頼むことにしました」
◆ここがポイント!
整理整頓は仕事の基本。他人から見えるところだけでもきれいに。
次のページでは、管理職や先輩社員に聞いた「思わず仕事を任せたくなる人」について紹介します