かけがえのない宝物。そして自分のキャリア。相反するものなのか、融合するものなのか... |
そのなかには、「子どもを持つことはハンディではなく、リスクを負うことだ」といった趣旨の書き込みもありました。
たしかに、子どもの急な発熱などにより突発的に仕事を休まざるを得ない可能性は、子どもを持たない人に比べればうんと高くなります。残業や休日出勤をしにくいといったこともあり、多くの会社がそれらを「リスク」ととらえているのが現実です。
そんななか、出産後も出産前と同じ会社で仕事を続けている亜美さん(仮名)にお話を聞いてみました。
あれこれ考えたのは妊娠前。妊娠したら腹が据わる
26歳で結婚した亜美さんは、30歳で第一子を出産。3年前の37歳のときに第二子を産んだ後も、ずっと同じ会社で正社員として働いている。――出産前、子どもを産むことに対して不安はありましたか?
「それはもちろんありました。だって、子育てってやったことがないから、わからないことだらけ。どうしたらいいんだろう、私にできるのだろうかという不安は山のようにありました。それに、当時、私の会社には出産後も働いている人はほとんどいなくて、仕事が続けられるのかもわからなかったし」
――それでも子どもを産んだということは、子どもが欲しいという気持ちのほうが強かったということですか?
「う~ん、それはよくわからない、というのが正直なところですね。ただ、辛くてたいへんなことばかりだったら、人類は終わっていたと思うんですよ。もちろん、大昔と今では女性をとりまく環境は全然違うけれど、ほかのことに変えがたい何かがあるから、人は子どもを産み、育ててきたんじゃないか。そんなことは考えたことはありました」
――妊娠が分かったときはどんな気持ちでした?
「それがね、妊娠したら、急に腹が据わったんですよ。それまでは、経済的にやっていけるんだろうかとか、仕事と子育てって両立できるんだろうかとか、あれこれ考えていたんですが、妊娠したら、何とかなる気がしてきた(笑)。自分でも不思議です」
――でも、仕事と子育ての両立はたいへんですよね?
「それは楽じゃないですよ。特に一人目の子を産んだときはまだ育休も十分取れる状態ではなかったから、出産後1カ月で復帰。保育園から『熱があるから迎えにきてください』なんて電話があったら、とりあえずタクシーを飛ばして迎えに行き、そのまま私の親に預けて職場に戻るなんてことも、1度や2度じゃなかったですよ。そんな状態だったから、しばらくは2人目なんてまったく考えられなかったですね」
一人っ子だった亜美さんは、昔から、「子どもは絶対に兄弟がいたほうがいい」という思っていたものの、実際には2人目を産むのは難しい状況。「やっぱり無理か…」と思い始めた頃、図らずも2人目の妊娠がわかったのです。