守られていることへのストレスも感じる日々


――1人目と2人目では、子育てにかかるパワーは違いますか?
「最初の子のときはすべてが始めてだから、たいへんだけど、何事も新鮮というのはありましたよね。それに対して2人目は、先が読める分、精神的には余裕が持てます。機嫌が悪くてぐずり始めると、1人目のときは『どうして機嫌が悪いんだろう。どうやってあやそうか』と必死になっていたけど、2人目になると『ちょっと気に入らないことがあるね。しばらくしたら収まるわ』ぐらいに思えたり」

――仕事面はどうですか?
「1人目を産んだときから7年たっていたので、職場の制度もずいぶん違います。まずは、育休をしっかり取ることができたし、復帰後も、子どもが3歳になるまでは時短勤務が認められているんです。だから、私は今、夕方4時までの勤務になっています」

――じゃあ、ずいぶん楽?
「体力的にはそうですね。でも、精神的には違ったストレスがあるんです」

――時短勤務を快く思わない人がいるとか?
「そうじゃないんです。幸いにもうちの会社は、育休も時短勤務も十分受け入れられているので、それに対してなにか言う人はいません。でも逆に、そういう風に守られていることが自分にとってストレスになっているんです。もちろん、贅沢な悩みだと思います。でも、体力的に追い詰められないからこそ、心のどこかで『もっと仕事がしたい』という気持ちがあるのかもしれません」

――育休や時短勤務によって、キャリア形成が遅れるという不安やあせりはありますか?
「今はないです。たしかに、未婚だったり、結婚しても子どもを持っていない同期のなかには、バリバリ仕事をして、管理職になっている子もいるので、そういう人と比べると遅れを取っていることになりますが、子どもを持つようになって、会社の中で上に行くことだけが目標じゃないと思うようになったような気がします」

――じゃあ、出産・子育てはキャリアの敵ではない?
「会社の中で上に行くことや、仕事の成果での評価だけをキャリアのものさしにするのであれば、出産・子育てはキャリアの敵だと思います。だって、物理的に仕事に力を注げる時間は減らさざるを得ませんから。でも、キャリアに対して別のものさしを持つならば、決して敵ではないのでは? だって、子育ては壮大なスケールかつ途中で絶対に投げ出せないプロジェクトですからね。それをやりきったときに得られるものは、仕事だけに力を注いだ場合とは違うものだと思いますから。まだやりきるところまで行っていない私にはそれが何なのかは分かりませんけど…」



インタビューの途中で、「子どもを産んだことは決して後悔していないけれど、日々の忙しさから、ついついグチも出てしまう」と何度も繰り返す亜美さん。しかし、「こんなはずじゃなかった、とは決して思わない」と話すところに、子育ての奥の深さを感じます。