学歴から見る立候補者のイメージ
学歴の及ぼす影響を改めて認識させられたわけだが、今回初めて出馬し、比例区で当選を果たした自民党の佐藤ゆかり氏の学歴を例に挙げて見てみよう。
(自由民主党佐藤ゆかり氏公式ホームページより)
上智大学外国語学部フランス語学科入学。 20 歳で渡米を決意。コロンビア大学政治学部卒、同大学院国際関係修士課程修了。ニューヨーク大学 (NYU) 大学院で経済学博士号 (Ph.D) 取得。
この学歴からイメージできることをあげてみる。
・「20歳で渡米」を実現した親の経済力(奨学金?)
・アメリカの有名大学に入学・卒業出来た学力
・留学先で大学を卒業した意思の強さ、努力、計画性
・政治学(学士)、国際関係学(修士)、経済学(博士)の知識
・語学力(英語、フランス語、それ以外にも?)
・留学で養われた国際感覚
・一流大学への留学で培われた人脈など
他にも色々あるだろうが、このようにたった数行から様々なことを推測させる力を学歴は持っている。逆に学歴以外から、一瞬にしてこのようなイメージを人々に与えることは難しいだろう。
立候補者と学歴
今回のアンケート結果で、学歴の影響力を改めて考えさせられたが、卒業していないのに「卒業した」と学歴を詐称し、議員辞職に追い込まれたり、高卒なのに大学中退と偽って立候補したり、留学経験を偽ったり、と公職選挙法で違反されているにもかかわらず、政治がらみでの学歴詐称が目立つ。
今回、このアンケートに233名もの方から協力を得た。学歴の影響力を66%が肯定した反面、33%は「学歴は人選に影響しない」と答えており、学歴以外で人を判断しようとする姿勢が見える。
学歴を判断材料とするのも一つの方法だし、しないのも一つの方法だ。
しかし、立候補者のプロフィールには、氏名、年齢に続き、当然のように最終学歴が記載されている。その記載項目が変更されない限り、学歴の影響力も持続していくのだろう。そして、学歴に自信のない立候補者の学歴詐称を誘うのかもしれない。たった数年の学習暦が、人選に影響し、当選を左右しかねない、ということもあるのだから、やはり学歴の持つ力はあなどれない。
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