社会ニュース/よくわかる時事問題

「小室哲哉」はなぜ転落したのか?(2ページ目)

11月4日、小室容疑者が詐欺の容疑で逮捕され、芸能界に激震が走っています。それにしても、巨万の富を築いた「時代の寵児」は、なぜ転落の道をころげ落ちた? 犯罪に手を染めるまでの軌跡を辿ってみると……

執筆者:志田 玲子

預金は100億円超! 自家用ジェットで優雅にベガス旅行!

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2億円以上のベンツやスポーツカーなど、大好きな高級外車も買いたい放題!
写真提供:フリー画像素材EyesPic
スーパープロデューサー・小室容疑者が栄華を極めたのは、1990年代後半。プロデュースした「小室ファミリー」の曲が、次々と音楽チャートの上位を占め、96年4月には、オリコンのシングル部門で、プロデュース作品が1位から5位までを独占する初快挙!

お蔭で、高額納税者番付4位に2年連続ランクインするなど、巨万の富をゲット! 預金総額は100億円を軽く超え、当時を振り返ったインタビューでは、「銀行通帳は、10桁までしか表示されないから、途中から桁がわからなくなった……」。スタッフを引き連れたアメリカ・ラスベガス旅行では、自家用ジェット機を使い、ハワイ、バリなど世界各国のリゾート地には、レコーディングスタジオ付きの別荘を建設。豪華クルーザーや高級外車を乗り回し、バブリーなセレブ生活を謳歌していました。

アジア進出が仇! 事業失敗に離婚で借金地獄へ……

そんな音楽界の「勝ち組」が凋落したきっかけは、96年末のアジア進出。世界のメディア王、ルパード・マードック氏と提携し、香港に合弁会社「TKニューズ」を設立。資本金1.2億円は、小室容疑者が1人で出資しましたが、ヒット曲に恵まれないまま株価もダウン! 70億円ともいわれる負債を抱え込んだ挙句に撤退と、アジア最大の音楽プロダクションを目指した野望は、夢に終わりました。

99年以降は、国内の「小室ブーム」も下火になり、CDの売上げも急降下。これに追い打ちをかけたのが、2002年に離婚した前妻(歌手・吉田麻美さん)への慰謝料・推定7億円です。当時、約2億円の印税(著作権使用料)収入があったものの、慰謝料が支払えなくなったため、差し押さえの憂き目に! 結局、小室容疑者に入る印税収入は、年間1億円に半減しました。苦しい台所事情を抱え、別荘や株、高級外車、クルーザーを次々と売却するなど、自転車操業の資金繰りを強いられる日々。逮捕直前も、数千万円の金策に走り回っていた様子……。

こうして、金欠生活を余儀なくされた「時代の寵児」は、ついに犯罪の世界に足を踏み入れることになります……
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