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ガソリン国会で、「暫定税率」はどうなる?(3ページ目)

ガソリン国会がいよいよ開幕! ガソリン価格を左右する揮発油税の暫定税率を巡り、与野党の熱いバトルがスタートしました。そこで、揮発油税・暫定税率など注目キーワードの解説と共に、その行方に迫ってみると……

執筆者:志田 玲子

与野党バトル! 衆議院再可決vs.ガソリン値下げ隊

画像の代替テキスト
一旦引き上げた高い税率は、走り出したら止まることを知らない?!
写真提供:フリー画像素材EyesPic
通常国会が開幕した1月18日、福田首相は施政方針演説(国会冒頭で内閣を代表して述べる政府見解)で、「道路特定財源は、現行の税率を維持する必要がある!」。あくまで暫定税率維持を貫く方針です。ただ、世論調査で「廃止!」の声を上げる国民が約3分の2に上る中で、果たして再可決という「強行突破」に踏み切れる?

一方の民主党では、所属議員約60人による「ガソリン値下げ隊」が15日に発足。「暫定税率の廃止で、ガソリン価格をリッター25円値下げできる!」ことを世論にアピールし、衆議院を「ガソリン解散」に追い込む作戦です。ただ、「選挙目当ての大衆迎合主義じゃない?」という見方も、チラホラ……。

政治家は党利党略におぼれず、国会で議論を尽くせ!

振り返れば、暫定税率誕生から34年、全国津々浦々で着々と道路建設が進められてきました。その分だけ道路が増えたにもかかわらず、今後さらに10年間、本来の2~3倍もの高い税率を続ける必要性が、果たしてある? もちろん、宮崎県・東国原知事らが訴えるように、「まだ道路が足りない!」地域もあるでしょう。一方で、「必要だ!」のかけ声の下で、数多くの道路が建設された結果、蓋を開けてみたら「ムダだった!」と批判される道路が存在するのも、紛れのない事実。こうした経緯を踏まえれば、「必要」の判断基準の厳格化もさることながら、暫定税率の安易な延長は、見直すべき時に来ているのではないの?

まして、ガソリン価格を初め、原油高を背景に生活必需品の値上げラッシュが庶民生活を襲い、株安が示すように、今後の景気減速懸念が強まっているのが、日本経済の現状。政治家たるもの、党利党略におぼれることなく、国民生活や経済全体の動きに目配りしつつ、「暫定税率は、どう見直すべきなのか?」について、まっとうな議論を戦わせて欲しいものです。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
決定!2008年度「税制改正」はこうなる
「原油価格」はなぜ、上昇を続けるのか?
ニッポンを席巻!値上げ旋風2007
ガソリンだけじゃない?!値上げ旋風襲来!
「住民税」アップ!定率減税廃止と税源移譲
消費税を操る「税調」とは、どんな組織?
あなたの財布を直撃! いつ上がる?消費税
経済・給料・物価・景気・金融のニュース
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●その他のサイト
ガソリン価格比較サイト gogo.gs
車の維持費節約!エコ・カーライフ


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