
「せっかくの休日なのに、家事や付き合いに追われてまったく休めなかった……」こういった経験を持つ日本人は少なくないでしょう。
日本では休むことに罪悪感を覚える人が多いため、休日でも“誰かや何かのため”に過ごしてしまうケースがあるようです。一方、ドイツでは休みは人生をより良くするためのものだと捉えています。
松居温子さんの著書『日本の3倍休んで1.5倍の成果を出す ドイツ人のすごい休日』ではドイツ人の休み方について詳しく解説。
今回は本書から一部を抜粋し、すぐに実践できるドイツ式休息法4ステップをご紹介します。
<目次>
【STEP①】仕分ける―休日を取り戻すための準備
ドイツ人が実践しているのは、単に「休む」ことではなく、「休みをつくる」こと。休みをただ漫然と過ごすのではなく、自分のために使う時間として意識的に時間を生み出し、存分に活用していくのが、ドイツ式休息法といえるでしょう。
このドイツ式休み方について、日本人にとっても取り入れやすいかたちの4ステップでご紹介していきます。
STEP①、まずは、自分の日常を振り返り、「休んでいる時間・休日を圧迫しているもの」を見直すことから始めます。休みの日に、家事、買い物、子どもの世話、パートナーや家族から頼まれている用事、親戚への連絡など、“こなすべきタスク”が頭のなかを埋め尽くしている状態では、体を休めても心は休まりません。
私たちは、休みの時間のなかで「やらなければならないこと」と「やりたいこと」が混ざり合い、混乱してしまうことがあります。まずは、頭のなかにあるタスクをすべて外に出しましょう。紙に書き出すことで、脳内のごちゃごちゃが“可視化”されます。
すると、
- やらなければならないこと
- 実はやらなくてもいいこと
- やりたいと思っていること
- やりたいのに後回しにしていること
- 自由時間に心からやってみたいこと
などが、次々と浮かび上がってきます。
ドイツでは、この“自分の自由時間に入り込んでいるプライベートタスク”を日頃から見直し、休むための時間を意識的に確保します。自分の生活のなかで「本当に必要なもの」と「手放せるもの」を見極め、本当に休まるための“余白”をつくっていくのです。
つまり、休みの日にどう行動するのか、あらかじめプランを立てておく。これが、ドイツ式休息法の第一歩です。
【STEP②】切り捨てる―やりたいことを見極める
ここからは、実際の休日をどう過ごすか、その実践編です。STEP①でプライベートのタスクが見えてきたら、次はそれを「整理し、不要なものは切り捨てる」ステップに移ります。
休日に「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」とタスクを詰め込みすぎると、心も体も本当に休まる時間が奪われてしまいます。大切なのは、日本人に多い「他人の期待に応えるために、ついやってしまっているタスク」を見極めることです。
そのうえでドイツ人は、休みの日の過ごし方をとても明確にしています。プライベートでやるべきこと・やらなければならないことを整理し、“いつ、どれくらい時間を使うか”をあらかじめ決めてこなしていきます。
そして、積極的に余白の時間をつくり、その余白にこそ、自分が本当にやりたいことを入れていくのです。このステップでは、そうしたドイツ人の実践を参考にしながら、あなたの休日を本当にやりたいことだけで満たすための選択と見極めを行っていきます。
【STEP③】「自分軸」で生きる―やりたいことに貪欲になる
ここでは、確保した休日を「自分軸」でどう使うかを考えていきます。ドイツでは「自分がどう感じているか」を基準に行動を選ぶ感覚が、ごく自然に共有されています。
大切にされているのは、やりたいことをすべて詰め込むことではなく、気が進まない行動をあらかじめ手放すこと。自分一人で過ごす時間も、誰かと過ごす時間も、どちらも「自分にとって心地よいかどうか」が判断軸になります。休みの過ごし方には、本人が選ぶ自由があり、その選択は尊重されるものだという前提があるのです。
“自分軸で休む”とは、わがままになることではありません。それは、自分と他人のバランスを取り戻すこと。これまで無意識に「他人軸」で休んできたことに気づくだけでも、時間との向き合い方は少しずつ変わり始めます。
【STEP④】あえて「何もしない」をする―自己肯定感こそが最強の成果を生む
本当にやりたいことであれば何をしてもいい。そのなかには「何もしていない」時間も含まれます。
ドイツでは、思考を止め、頭を空っぽにする時間を肯定的に捉えています。一見すると生産性のない時間であっても、次に動き出すためのエネルギーが蓄えられることを、経験的に理解しているからです。
ただし、頭を空っぽにする方法は一つではありません。静かに過ごす時間もあれば、身体を動かすことで思考が自然と手放される時間もあります。大切なのは、かたちではなく、「思考から離れられているかどうか」という感覚です。このSTEP④では、「頭を空っぽにする時間」を、休日や日常のなかに意識的に取り入れていくことを目指します。
松居温子(まつい・あつこ)
株式会社ダヴィンチインターナショナル 代表取締役。ドイツ歴40年。父の転勤により8歳から13歳までドイツで暮らし、現地校に通う。ドイツ語を習得し、文化や生活に深く触れた少年期を過ごす。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、日本銀行に勤務。その後、ドイツのマイスター制度に解決策を見出し、高野哲雄とともにドイツ専門留学会社、株式会社ダヴィンチインターナショナルを設立後、ドイツに現地法人A&T GLobal GmbHを設立し現在に至る。






