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幹事長と副総裁どっちが偉い?

今週から始まったいまさら聞けない政治のコト講座。第1回は自民党の幹事長と副総裁、その役割の違いについてのゼミナールです。

執筆者:辻 雅之


(2003.10.01)

1ページ目 【幹事長と副総裁の仕事の違いは?】
2ページ目 【幹事長ポストの「重み」って?】
3ページ目 【「安倍幹事長」誕生本当の思惑とは?】

【幹事長と副総裁の仕事の違いは?】
党務を総括する幹事長、副総裁は「相談役」


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Q:今度の自民党人事で山崎拓さんが幹事長から副総裁に『昇進』して、かわりに安倍晋三さんが幹事長になりましたけど、副総裁と幹事長ってどっちが偉いんですか?」

A:偉いのは副総裁でしょう。自民党の党則にも『総裁を補佐し、総裁に事故があるとき、又は総裁が欠けたときは、総裁の職務を行う。(第5条)』とあり、いざとなったら総裁の代行をつとめることになるからです。しかし、重要さでいったら幹事長のほうが断然重要ポストといえるでしょう。


Q:幹事長は何をするのですか。

A:自民党の党則には『総裁を補佐し、党務を執行する。(第8条)』とあります。内閣総理大臣として政府の仕事で忙しい総裁のかわりに、党の中のいろいろな仕事の総責任者として働くことになる、事実上のナンバー2ポストです。

幹事長のもとには総務局、人事局、経理局、情報調査局、国際局がおかれています。つまり幹事長が党の人事や経理、財政や情報収集の総元締めというわけです。その他、党の政策の調整や選挙対策も、幹事長の重要な職務となっています。


Q:じゃあ、副総裁の仕事は・・・?

A:副総裁は総裁の相談役といえるでしょう。まあ、実質的に切り盛りできる仕事はありません。名誉職ともいえるでしょう。だいたい副総裁がおかれていない時期もけっこうあって、今度の山崎副総裁は実に8年ぶりの副総裁です。過去にはひんぱんにおかれていましたが、まあ幹事長が普通に仕事をしていれば特に用のないポストといえるのでしょう。

しかし、過去には副総裁が後継総裁を指名したりしたこともあるので、あながち軽視できるポストではないことも事実です。まあ、俗なたとえですが会社に例えると、総裁は会長、副総裁は顧問、幹事長が社長というふうに考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

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