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幹事長と副総裁どっちが偉い?(3ページ目)

今週から始まったいまさら聞けない政治のコト講座。第1回は自民党の幹事長と副総裁、その役割の違いについてのゼミナールです。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【幹事長と副総裁の仕事の違いは?】
2ページ目 【幹事長ポストの「重み」って?】
3ページ目 【「安倍幹事長」誕生本当の思惑とは?】

【「安倍幹事長」誕生本当の思惑とは?】
「裏幹事長」が幅を利かせる?


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Q:しかし、幹事長って実質的に党の責任者じゃないですか。そんな経験浅い人で、自民党は大丈夫なんですか。

A:まあ、本音をいえば小泉首相は山崎副総裁を幹事長から副総裁へ交代させたくなかったはずです。もともと一匹狼でやってきた小泉首相にとって、山崎副総裁は心許せる数少ない盟友。しかし、選挙のときマスメディアの前にもっとも露出する幹事長が女性スキャンダル持ちでは、都合が悪すぎました。

そして、党内ほぼ全方位から『山崎幹事長交代』が主張されていました。特に総裁選で『助けてもらった』青木幹雄参院幹事長が強く主張していましたので、小泉首相としても交代させないわけにはいかなかったのでしょう。

もっとも、山崎氏は副総裁として執行部に残っています。首相としては山崎副総裁にその肩書きを利用して複雑な党内調整、派閥間調整に引き続きあたってほしいと思っているのかもしれません。『表の安倍幹事長、山崎《裏》幹事長』ということになってしまうかも。


Q:結局、安倍幹事長は選挙向きの表の顔で、裏のドロドロした権力闘争に対処するのは山崎さんが引き続き、ということなんでしょうか?

A:自民党は魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界ですから。修羅場をくぐってきた人間でないと完全にはおさえきれないでしょう。


Q:しかし小泉首相はいつも人事で驚かせてくれますね。

A:首相の最大の武器は人事と解散権です。党内に基盤もなく、カネもない小泉首相が総裁選で圧勝できたのも、この2つをうまく使ってのことでしょう。親小泉陣営も反小泉陣営も、今は『毒まんじゅう』を食らった気分でいるころでしょうか(笑)

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