3) 論点を意識すること
論点を意識する |
議事録に書くべきこととは、ずばり「論点に答える情報」のこと。ここで言う論点とは、「読む人がこれまで知らなくて、知りたいと思っている情報」です。知っていて当たり前な情報や、知りたくない(知らなくてもよい)情報は、読む時間がもったいないですね。
論点を意識するテクニックとして、項目名を「~について」としない、ことがあります。なぜならば、項目名が「~について」だと、~について何が知りたいのかが、ぼやけてしまうからです。
例えば、「ターゲットとすべき顧客セグメントについて」という項目名よりも、「ターゲットとすべき顧客セグメントはどこか?」の方が、知りたいことの焦点がはっきりしますよね。
また、論点に応える情報のウェイトは、確認した現状よりも、何を議論し、今後に向けて何が決定したのかにあります。ですから、議事録の構成比率が、確認した現状7割、他が3割、という具合になっていたら要注意です。 目安として、現状4割、議論内容3割、今後に向けて3割、ぐらいになるように、気をつけてみましょう。
ポイントはまだあります。次のポイントは「目的を意識すること」です。
4) 目的を意識すること
今後に向けての内容で「~をやる」とだけ書いても、「なぜやるんだったかな?」となりかねません。目的も合わせて書くことが大事です。
普段の業務では、どこが問題なのか、なぜ問題が起きているのか、といったことを飛ばして、とにかく打ち手をどうするか、に意識がいきがちです。私はそれを「How思考の罠」と呼んでいます。どうでしょう、みなさんはHow思考の罠に陥っていませんか?
議事録でもそれは同じで、何をやるのか、はきちんと書かれていても、何のためにやるのか、が抜け落ちているケースが意外と多く目に付きます。ビジネスは、とにかく何かをすることが目的ではありません。目的を達成することが目的なのです。
目的がはっきりしていれば、決定したやり方ができない、と判明した時でも、代替案を考えられますね。目的が書かれていなければ、「それはできません」で終わってしまいます。しっかり目的まで書き残すように気をつけましょう!
ポイントはあと一つ! もう一息です!
5) 決まったこと/話し合い中のこと、を区別すること
会議は何かを決めるためにありますが、時間内では決まらないこともありますよね。決まったことと話し合い中のことは、しっかり区別して記述に残しておきましょう。そうしないと、もう決まったことなのに、また話し合ったり、まだ話し合い中のことなのに、決定事項として次に進んでしまったりします。
また、議事録によっては、書き手の所感など、会議では話し合われなかったことを記述する場合もあるかもしれません。その場合も、決まったことや話し合い中のこととは分けて書くようにしましょう。この辺は明確に区別をつけないと分かりにくいものです。気をつけましょう!
議事録の書き方、いかがでしたか? お気づきかと思いますが、議事録を書く時に留意すべきポイントは、議論を進める時のポイントでもあります。
それぞれの職場に議事録のフォーマットがあると思いますが、踏まえるべきポイントは同じです。今回のポイントを意識して、議事録の完成度を高めるとともに、自己研鑽の機会にしてしまいましょう!
【関連記事】
ビジネスで必要な「ロジカルライティング」
通し番号ノート&複数色ペンが"本物"の極意
お洒落で便利なライティングパッド