プレゼンの最中に「何が言いたいか」がわからなくなり、困った経験はないだろうか?
そんな時はもしかして、そもそも何を言おうとしているかが明確でなかったりしませんか? 主張が不明確であれば、いくらプレゼン資料を工夫した所で、相手にわかりやすく伝えることは出来ません。
<目次>
プレゼンスキルの高め方1.「相手に何を期待するのか」を明確にする
何かをプレゼンテーションする場合には、必ず相手に何らかの行動を期待しているはずです。そんな時「ふーん」「あっそう」と相手に聞き流されてしまったら、プレゼンテーションをした意味がないですよね。だからこそ、何を期待して、プレゼンを行っているのか、ということを最初に相手に伝えるべきなのです。よく考えると当たり前の話なのですが、実際によくある誤りが「とりあえず説明する」というスタンスでプレゼンテーションをしてしまうという、ということです。例えば、こんなことです。
「とりあえず、当社の概要をご説明します」
「とりあえず、私の昨日の営業日報を報告します」
「とりあえず、当事業部の昨年度の業績をご説明します」……など。
「とりあえず説明する」というあいまいなスタンスで始めてしてしまうと、聞いている相手は「なぜ自分に説明しているのか?」というプレゼンテーションの目的がそもそもわからないので、聞いていてイライラしてしまいます。
プレゼンテーションをする上では、必ず「どんな行動をプレゼンする相手に期待しているのか」を良く考えて、明確にしておきましょう。たとえば、このような形です。
「当社のサービスをお選び頂くにあたり、これまでの実績を中心に、概要をご紹介します」
「重点顧客への今後のアプローチ方法をご相談したく、私の昨日の営業日報を報告します」
「次年度に向けての改善案を賜りたく、当事業部の昨年度の業績をご説明します」
相手に対して期待している行動が明確になれば、次は主張を論理的に組み立てる必要があります。
プレゼンスキルの高め方2. 主張を論理的に組み立てる
<論理的な主張の構造例>
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縦と横のつながり意識しながら、主張を論理的に組み立てよう
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相手に対する行動が明確になれば、次は主張を論理的に組み立てる必要があります。記事「ビジネスで必要なロジカルライティング」で説明をした通り、縦横のつながり考えながら話を論理的に組み立てて行きましょう。
たとえば先程の例で「当社のサービスをお選び頂くにあたり、これまでの実績を中心に、概要をご紹介します」という主張を論理的に組み立てるならば、上の図のような形で、最上段に「最も言いたい主張」が来て、二段目にその論拠となる「取引実績があります」「継続して頂いています」「サポートも万全です」といった内容が来て、三段目に更に具体的な「情報」が来ることになります。
主張の論理構成が出来たら、今度は「どのように相手に説明をするか」という「ストーリー」を考える必要があります。ストーリーの作り方は大きく「トップダウン型」と「ボトムアップ型」に分けられます。
プレゼンスキルの高め方3. トップダウン型・ボトムアップ型
<ストーリー作りの基本>
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同じ論理構成でも話す相手によってストーリーを変える必要がある
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「トップダウン」型とは、結論から先に説明をして、主張の根拠だけをサラッと解説する方法です。この方法は、とても簡潔に要点を伝えられるという利点の一方で、相手や状況によっては誤解されやすいという難点があります。
【トップダウン方式でのメッセージの例】
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■当サービスのサポート体制は万全である
一方、「ボトムアップ型」とは、背景となる情報から先に説明をして、それぞれの根拠をくまなく説明した後に、最後に結論を話すという方法です。この方法は、誤解のないようじっくり説明が出来るという利点がある反面、相手や状況によっては最後まで聞いてもらえないという難点があります。
【ボトムアップ方式での例】
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プレゼンスキルの高め方4. 相手にあわせたストーリーを考える
<ストーリー作りの応用>
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相手の立場や説明する内容など、状況に応じて「どの部分をどんな順番に話すか」を考えよう
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時間がたくさんある場合には、伝えたいことを全て話せばいいのですが、仕事上ではなかなかそこまで時間をさけないことがほとんどです。したがって、実際に仕事でプレゼン資料のストーリーを構成する場合には、上記の図で示したような形で、相手や状況によって臨機応変に構成を変え、大切な部分だけを端的に説明していく必要があります。
■物わかりがよい人に対する説明だが、結論の意見が割れそうな場合。
図Aのように「背景となる理由をサラッと説明した後に結論を話す」ような方法。
■特定分野について深い知識があり、全体も見渡すような人に説明する場合。
図Bのように「特定分野は情報を詳しく説明し、関連する全体をサラッと話して、最後に結論を話す」ような方法。
■ある一部分だけを詳しく見ている人に説明する場合。
図Cのように「特定分野の背景情報から説明し、興味がなさそうな所は飛ばして、結論を話す」というような方法。
このように、様々な形でストーリーを相手にあわせて考えて、応用してみて下さい。
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