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マンションに欠陥が見つかったらどうなる?(2ページ目)

入居後に万が一、雨漏りやひび割れなどの欠陥が見つかったらどうなるのか。新築マンションに義務づけられている10年保証を中心に、瑕疵担保責任のルールと注意点についてまとめてみました。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

欠陥と見なされる不具合の目安とは

性能イメージ
欠陥かどうかを判断するのが難しいケースも少なくない
なお、ここで問題になるのは、「どの程度の不具合なら欠陥と見なせるのか」ということです。例えば時間の経過とともにマンションの外壁にひび割れが生じたとしても、それが欠陥によるものか、単なる時間の経過による劣化なのか、判断が難しい場合も少なくありません。

そこで国では、品確法に基づく住宅性能表示制度で性能を表示した住宅(建設住宅性能評価書が交付された住宅)が、住宅紛争処理機関でトラブルを解決する際の目安となる基準を定めています(表参照)。この「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」では、例えば「柱や床が1000分の6以上傾いている場合」、など、欠陥による可能性が高いケースが示されているのです。あくまで目安とされてはいますが、トラブルを解決する際の参考になるでしょう。


■どの程度の不具合なら欠陥(瑕疵)なのか
(住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準より)
〈壁、柱、床の傾き〉
レベル 不具合事象 構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性
1 3/1000未満の勾配の傾斜 低い
2 3/1000以上6/1000未満の勾配の傾斜 一定程度存する
3 6/1000以上の勾配の傾斜 高い
〈壁、柱、床、天井、はり、屋根のひび割れ(構造材による仕上げ)〉
レベル 不具合事象 構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性
1 レベル2及びレベル3に該当しないひび割れ 低い
2 幅0.3mm以上0.5mm未満のひび割れ(レベル3に該当するものを除く) 一定程度存する
3 (1)幅0.5mm以上のひび割れ(2)さび汁を伴うひび割れ 高い
※ いずれも鉄筋コンクリート造住宅または鉄骨鉄筋コンクリート造住宅の場合


最終的には売主の資力が問題となる

さらに、売主側が隠れた瑕疵の存在を認めたとしても、実際に修理や賠償責任を実行する資力があるかどうかは別問題です。売主が倒産したときなどに備えて修理費用が保険でカバーされる制度もありますが、現行では義務づけられてはいません。万一の場合にきちんと対応してくれるかどうかという点も、重要なポイントになるでしょう。

【関連記事】「性能のチェックポイント(1) 住宅を格付け!?住宅性能表示制度」
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