供給が多く、売れている都心のマンション
都心のマンションが売れています。首都圏では2005年まで7年連続で8万戸を超える新築マンションの供給が続いていますが、都区部でも7年連続で3万戸台が供給されており、首都圏全体の4割前後を占めています(不動産経済研究所調べ)。【首都圏新築マンション供給戸数の推移】7年連続で8万戸以上の供給が続いている新築マンション。供給がコンスタントに続いているということは、「売れている」という裏づけになる(不動産経済研究所調べ) |
供給が多いということは、それだけ「売れている」ということでもあります。2005年に販売されたマンションの12月末時点の累計契約率は都区部が94.8%とほぼ「完売」に近く、首都圏全体の累計契約率93.5%を上回っています(同)。
人気の理由は立地条件と価格相場
都心のマンションがこれだけ売れている理由はどこにあるのでしょうか。第一の理由としては、当然のことながら立地条件が挙げられます。都心に近ければそれだけ通勤や買い物、文化施設などへのアクセスが便利になることは明らかです。十数年前には多くの人にとって夢でしかなかった「職住近接」の暮しが実現できるようになっています。人気の秘密はその価格にもあるでしょう。バブル崩壊後は地価下落とともに都心のマンションの価格も下がり、2003年には都区部の平均価格が4599万円までダウン。同時に広さは拡大し、同年の都区部の平均専有面積は68.1m2に達しました。その後は都心部の地価上昇傾向にともなって価格が上昇に転じつつありますが、2005年の平均価格は4920万円と4000万円台をキープしています。都心でも70m2前後のファミリータイプが4000万円台で手に入る状況なのです(同)
都心回帰を象徴する大規模マンション
都心のタワーマンションは共用施設が充実した物件が多い |
さらに住戸数が多く、1戸当たりの維持管理費用を抑えられるスケールメリットを生かして、マンション内にさまざまな共用施設を付けるケースも多くなっています。スポーツジムやミニシアター、託児所などは定番ですが、なかにはスーパーや金融機関の店舗、医療施設などを設置している物件もあります。いわばマンション全体がひとつの街として機能していると言えるでしょう。
都心のマンションはタワーだけではありません。もうひとつの「都心のマンション」といえば……次ページで紹介しましょう。