フラット35が最善の選択とは限らない
40歳のBさんは2人の子どもがちょうど教育費が高くなる時期に差しかかっています。金利上昇リスクのないフラット35で借りようと考えましたが、教育費のかかる当初は返済負担をなるべく抑えたいので返済期間を長めの30年にしました。フラット35は途中で返済期間を変更できると聞き、下の子が大学を卒業する予定の10年後に返済期間を5年短くする計画です。その結果、当初10年間は毎月返済額を13万円弱に抑えられましたが、11年目以降は16万円台と急増することになります。■当初10年間の返済を抑えようと10年固定で組んだBさん(ファミリー)
家族構成/夫40歳(年収700万円)、妻38歳、子ども14歳と12歳
購入マンション/80 m2、4LDK、価格3800万円、頭金800万円
〈当初の資金計画〉
当初10年間 | 11年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 金利 | 期間 | 毎月返済額 | 残期間 | 毎月返済額 |
フラット35 | 3000万円 | 3.15% | 30年 | 12万8921円 | 15年 | 16万0039円 |
教育費の負担がなくなれば月々16万円台でも返せないことはないと思われますが、やはり負担が重く感じられそうです。そこでフラット35より金利の低い10年固定を利用してみましょう。キャンペーンを使えば10年固定は2.25%で借りられます。金利が低い分、返済期間を最初から5年短くして25年返済で借りると、当初10年間の返済額は13万円ちょっとでフラット35の30年返済と2,000円も変わりません。10年後の金利は予測が難しいのですが、仮に店頭金利が0.5%上がっていたとしても毎月返済額は14万円台のアップで済みます。もっと金利が上がっていた場合は繰り上げ返済や、より金利の低い短期固定への切り替えなどの方法が考えられるでしょう。
〈見直し後の資金計画〉
当初10年間 | 11年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 返済期間 | 金利 | 毎月返済額 | 金利 | 毎月返済額 |
10年固定 | 3000万円 | 25年 | 2.25% | 13万0839円 | 3.85% | 14万6240円 |
DINKSならフラット35の条件変更を活用
Cさんは共働きで世帯年収に余裕があるので、金利上昇リスクをあまり気にしていない様子。5年固定の30年返済で全額を借りてガンガン返す予定です。ところが5年後に子どもが産まれ、妻が仕事を辞めることに。ちょうど金利の上昇も重なって毎月返済額が3万円近くアップし、夫1人の年収では返しきれないほどになってしまいました。■ 共働きなのでガンガン返そうと5年固定で組んだCさん(DINKS)
家族構成/夫28歳(年収600万円)、妻28歳(年収300万円)
購入マンション/70 m2、2LDK、価格4000万円、頭金800万円
〈当初の資金計画〉
当初5年間 | 6年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 返済期間 | 金利 | 毎月返済額 | 金利 | 毎月返済額 |
5年固定 | 3200万円 | 30年 | 1.75% | 11万4318円 | 3.85% | 14万4245円 |
※ ※5年固定はキャンペーンを利用し、5年後に店頭金利が1%上昇した5年固定を再び借りたと仮定
Cさんのような失敗を防ぐには、金利上昇リスクのないフラット35で借りる方法を考えたいところです。さらにフラット35は途中で返済期間を見直せる条件変更が可能なので、当初は25年返済で短く組み、妻が退職したら返済期間を延ばす方法が有効でしょう。その結果、当初の毎月返済額は15万円台になりますが、2人の年収なら返せない額ではありません。妻が仕事を辞めた6年目以降に返済期間を10年延ばすと、毎月返済額は11万円台にダウン。これなら夫1人の年収でも返済できるはずです。この条件変更は妻の退職時期に合わせて実行できるので、より柔軟な資金計画が可能になります。
〈見直し後の資金計画〉
当初5年間 | 6年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 金利 | 期間 | 毎月返済額 | 残期間 | 毎月返済額 |
フラット35 | 3200万円 | 3.15% | 25年 | 15万4256円 | 30年 | 11万7924円 |