話し方に説得力を持たせる方法・意識したいこととは?
説得力を持たせる話し方は?「説得」と「納得」の違い
早く交渉をまとめようとすると、その焦りから相手を説得しようという気持ちになるので気をつけましょう
「説得する」とは自分が相手に対して理解させようとする行為です。自分の考えや理論を相手にわかってもらい、なんとか説き伏せようという感じを相手に与えています。
仕事でのやり取りや商談のシーンで、相手が熱心に説明するので「わかりました」と言ったものの、どこか腑に落ちない気分が残ります。「なんとなく押しつけられた」「押し切られた」と、不快に感じてしまいます。「説得する」とは一方的な話し方だと言えます。
「納得する」とは、相手の話に共感して「ああ、なるほど!」と腹に落ち、自分の意志で相手の話を捉えているイメージ。決して、相手に押しつけられたことではなく、自分が納得するのです。説得とは、逆に相手軸で話をしていることになります。
「説得する」というよりは「説得させる」という使い方が多いことも、この理由からわかります。「納得させられた」とあまり用いないのは、自分主体で相手に共感することが「納得」だからです。
「説得」ではなく「納得」する話し方
やはり、説得ではなく納得してもらえる話し方で相手とコミュニケーションをとることをお勧めします。まず「自分はどのようにして相手を説得したらいいか」のではなく「どのようにしたら相手に納得してもらえるか」と考え方を改めましょう。聞き手の視点に立って話す内容を考えなければなりません。「○○だから○○なんです」と持論ばかり話していても相手は「納得」しないでしょう。どんなに丁寧な言葉遣いでも、相手に考える間を与えずにまくし立てたり強いトーンで話したりすると、聞き手は不快になります。
相手の気持ちを動かす話し方をするには、相手を理解することが第一歩です。「何をしたいのか」「どんなことに興味があるのか」「どんなことをされると嫌なのか」「どんな信条を持っているか」などを想像していきます。はじめは難しいでしょうが、慣れると初めて会った人でも、相手との会話から仮説を立てて話せるようになってきます。とにかく目線を相手に合わせてみることです。
ロジカルに説明し感情に訴える
相手の表情を見逃さないように注意深く話を聞き、相手が求めている結論を探しましょう
ビジネスシーンでの交渉事などでは、自分の思いだけでは納得してもらうことはできません。商談やプレゼンなどケースバイケースですが、相手が納得できるだけの裏付けは、しっかりと理論的に説明します。気をつけたいことは理詰めだけで説き伏せようとしないことです。
相手の気持ちを動かすには、「あなたにとって役に立つ(得になる)(必要である)ことだから伝えたい」という自分の思いを込め、それが現実になったときをイメージするように話します。これが伝われば、説得されていると相手は感じなくなります。
たとえば、取引先の社長に、AのサービスよりBのサービスを勧めたいとき
「私はAのサービスよりも、Bの方が絶対にお勧めします! なぜなら○○という理由だからです!」
確かに熱心に何度もそう言われると「そうなのかな」と感じて、「ではそうします……」と説得されるかもしれませんが、押しつけられた感は否めません。ここは、説得ではなく納得してもらえるように
「社長にご検討いただけると良いのですが、AとBのサービスがあります。BはAよりも○○という理由からお勧めです。もし御社が○○について考慮いただくのでしたら、Bが良いとは思いますが……たとえば(相手を主人公にして、例え話をいれる)」
この場合なら、相手がそのBのサービスを契約したときの状況や気持ちを感じてもらえるような話です。
説得するのではなく、相手が自分の話に共感し納得してもらうように話すには、相手の視点を意識して話すことが一番のポイント。それと同じくらい相手の話や言い分も聞かなければなりません。会話中は常に「どんなふうに話したら理解してもらえるか」を相手の立場で考えてください。
説得でなく納得して出した結論ならば、自ら次の行動に移してくれます。はじめは簡単にうまく行かないかもしれませんが、ぜひ共感してもらえる納得のコミュニケーションにチャレンジしてください。
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