新しいことをやらせてくれ!
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その後アメリカ駐在が決まります。多くの同期の中で最も早かったという海外赴任は、もしかすると社内論文大会での受賞が後押ししたのかもしれません。
駐在したアメリカでは「ジャパンバッシング」の逆風の中、臆せずビックスリー相手に対等のビジネスを展開。「本格的なビジネスを学んだのはアメリカ」でしたが、帰国して担当したのは、日本の自動車部品をアメリカなどに輸出する仕事。アメリカ駐在時代の反対側となる仕事ですが、勝手の知った仕事だけに面白味を感じませんでした。
「これじゃキャッチボール。新しいことをやらせてほしい!」
そして自ら決めていた10年目の4月1日、ついに社長に新規事業立ち上げを直訴したのです。
「仕事がつまらないと思うのは、僕は正しいことだと思います。それは自分が成長したということなんです」
社長への直訴―――。まるでドラマのようなひとコマですが、大組織の中で、直属の上司を飛び越えて社長に提案するなど軽々しく許されるものではありません。リスクを覚悟のうえで「ゲリラ戦法」に打って出たのは、「直属の上司に出しても却下されてしまう」だけではなく、「どんな提案でも社長の耳に入った以上、社長はイエス・ノーの結論を出さねばならない」という計算も働いていました。