人生すべてタイミング
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| ▲「Look!s」創刊号を持つ岩本氏 |
「強硬手段ではありましたが、社長に提案する以上、社長を『おっ』と言わせる提案を考えました」
それが当時１ドル90円台だった超円高を利用した輸入雑貨のビジネス。毎日のように円高のニュースが飛び交う中で、「ひょっとすると成功するかも」と思わせる“ツボ”を押さえていました。もちろん社内論文大会での受賞、同期で一番最初に海外赴任した実績もあったからでしょう。社長の答えは「イエス」。10年間という長い奉公時代を終え、ついに新規事業にチャレンジする機会を獲得します。
だが岩本さんには輸入雑貨以上の本命がありました。もちろんそれはインターネットビジネス。アメリカから帰国してからも海外の状況を注意深くウォッチし機会を伺っていました。輸入雑貨のビジネスが軌道に乗り、日本国内でもインターネットがブームになりつつあったとき、岩本さんは社長にＥＣ（インターネット・コマース）事業への参入を直訴。今度もタイミングを外しませんでした。
「人生すべてタイミング。早くてもダメだし、遅いのは絶対にダメ。恋愛もビジネスもタイミングを外したらうまくいかない」
新聞などでアメリカのアマゾンやイーベイなどが注目を集めているときに、岩本さんの企画書が社長の手元に届きます。しかも取引先のアパレルメーカーの協力を先に取り付けていました。「商社はお取引先あっての商売ですから、お取引先がやると言ったら、やらないと言えないんです」という用意周到さ、ベテランらしい読みはさすが。「また岩本か。また何かやるかもしれない」という期待感から、今度はスムーズに提案が受け入れられました。
