▲窓側に面したカフェ風のデスク フリーアドレス制を採用している |
人間同士の壁を切り崩すことは、秋山さんが組織を融合させた際、こだわったポイントの1つだったが、会社の重要な決定を下す役員同士は、真っ先に「一枚板」でなくてはならない。その点、夫婦で起業するメリットは大きいといえる。
とはいえ人生パートナーであるからこそ、難しい面もあるのではないだろうか。
「お互い決めているルールは、『宵越しの喧嘩はしない』その1点だけです(笑)。次の日がどんなに忙しくても、その日のうちに必ず決着させています。それにはかなりエネルギーも必要なんですが、その場で片付ける習慣を付けておくと、お互い遠慮しなくなるので、喧嘩もすぐに決着するようになるんです。お互いの『怒りのポイント』や大切にしている『価値観』も分かってますからね」
この考え方は夫婦間に限らずビジネスにも生かせそうだ。
世界を駆け回る経営者のタイムマネジメント
サキコーポレーションの顧客は世界中のパソコン、携帯電話などの工場であるため、同社の拠点も各国にあり、秋山さんは世界中の拠点を動き回っています。その多忙の中でも趣味の伝統芸能の公演は、欠かさず観に行くという。そのタイムマネジメントのコツを聞きました。
「やはりストレスが溜まるときもありますから、都度、リフレッシュするようにしています。基本はぐっすり眠ることが大切だと思いますが、悩んでいると寝ていても頭が冴えてしまうので、ストレスも“宵越し”しないようにしています。こういうときにはジムで体を動かすのですが、カラオケに行くときもありますよ。仕事の予定は数カ月先まで入るので、遊びも計画的に数カ月先に入れるようにしています。公演のチケットを取ったり、旅行の予定も入れてしまうんです」
「遊びも計画的に」。それが公私のバランスを保つポイントのようです。言われてみれば確かに、仕事は計画的に進めるのに、遊びが計画的でないというのは、バランスを欠いているような気がします。