キャリアプラン/キャリアプラン事例

オウケイウェイヴ兼元社長のライフマップ(4ページ目)

オウケイウェイヴ兼元社長は、グッドデザイン賞を取った気鋭のデザイナーでもある。だが、建設塗料会社に転職し、飛び込み営業をした泥臭いキャリアを持つ。

執筆者:角田 正隆

兼元さんの手帳 兼元さんの転職アドバイス「業界や会社のブランドではなく、ヒトだと思います。やはり社長や上司に惚れているかじゃないですか。それとその仕事が本当にやりたいことか再確認すべきですね。現状に違和感があるからという理由は、必ず自分に非があると思うし、次に転職しても同じことになると思う」
悩んだ兼元さんが社長に相談すると、社長は「『自分はデザイナー』だというプライドがダメだ」と一喝。「以後、俺の言うとおりにしろ」命じられる。それから毎朝6時に社長宅を訪問し、社長宅のトイレ掃除を行った。その後社長の訓示を聞き、8時に出社すると会社のトイレ掃除。それが終わると玄関に出て、出社する社員に挨拶した。

社長の教育はそれだけでは済まなかった。「営業が分からなきゃダメだ」と言われ、デザイナーだった兼元さんも飛び込み営業をやらされた。「1日5件、客先の自宅から電話しろ」とノルマを課され、作業服姿で必死で働く姿を見て、少しづつ話しかけてくれる人もでてきた。

「しかし、これでは肝心のデザインに集中できません。そうしたストレスと疲労で血を吐いたこともあります。このままじゃダメになる。そう思って打開策を考えた結果が、塗装技術を生かした自社製品を作ることでした」

兼元さんは早速行動を起こした。約3カ月間、徹底的に競合製品をリサーチして、自らサンプル品の製作に着手。塗装は比較的仲のよかった社員に、頼みに頼み込んで作業してもらった。そうした周囲の助けもあって、この製品は見事、グッドデザイン賞に輝いた。大手住宅メーカーにOEM供給され、初めての自社製品の出荷に成功した。


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