キャリアプラン/キャリアプラン事例

オウケイウェイヴ兼元社長のライフマップ(5ページ目)

オウケイウェイヴ兼元社長は、グッドデザイン賞を取った気鋭のデザイナーでもある。だが、建設塗料会社に転職し、飛び込み営業をした泥臭いキャリアを持つ。

執筆者:角田 正隆

理不尽なこともありましたが、それに比べたらITやデザインは簡単だと思えるようになりました。毎朝のトイレ清掃も自分の宝ですね。自分自身の力を見る機会は滅多にありませんが、汚れたトイレを掃除することで、自分でやっているという実感が湧きました。 
このプロジェクトを外部からサポートしてくれたのが、学生時代から組織していたデザイングループ「グローバルブレイン」のメンバーたちだった。強度計算といった社内でできない仕事を快く請け負ってくれた。

グローバルブレインはもともと車椅子生活の経験もあった兼元さんが、身障者のための製品デザインをするためなどに立ち上げたグループ。一羽では数キロしか飛べない渡り鳥が、V字型に編隊を組み揚力を得て、数千キロの旅を可能にすることから着想を得た。「しんどいときには一緒になる。そういう自然現象を体現できました」。

ところがこのグループ活動が、兼元さんの運命を思わぬ方向に動かした。学生時代からエネルギーを注ぎ込んできた活動だったが、さほど仲間からは信頼されていなかったことに気付かされてしまう。しかも家庭を顧みず、収入の大半を活動に費やしていたため、追い討ちをかけるように「妻からも愛想を尽かされてしまった」。そんな状況に追い込まれ、兼元さんの精神は最悪の状態になり、「どうでもいいや」という自暴自棄な気持ちにもなった。地元名古屋にも残れなくなり、ノートパソコン片手に1人深夜バスに乗って上京する。<後編に続く>

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