産休中のコミュニケーションが重要
▲新会社ワーク・ライフバランスでは「arumo(アルモ)」という新システムを開発 |
―――『wiwiw』もITを使ったコミュニケーションが成功のポイントだったとか。
小室:『wiwiw』は育児休業中にEラーニングを提供する仕組みとして好評いただいていますが、実は職場上司との連絡や育児休業者同士の情報交換など、コミュニケーションツールとして非常に活用されているんです。
スムーズに職場復帰するには、休業中も、いかに上司や同僚とコミュニケーションを継続するかが非常に重要なのですが、そのコミュニケーションツールとしてITはとても有効なんです。
こうした仕組みが導入されていない会社にいる方も多いと思いますが、育児休業中に上司や同僚とコミュニケーションを取っておいたほうがいいと思います。確かに産後は非常に目が疲れたりして、パソコンを利用するのがつらいときもあります。
しかし、こうした情報交換をすることで、復帰後、職場の受け入れる雰囲気がぐっと変わりますから、定期的にメールすることをぜひお勧めしたいですね。
上司へのメールに赤ちゃんの写真も添付して送るなど、親密なコミュニケーションを取った結果、「以前より増して上司との関係がよくなった」、「上司が育児と仕事の両立に理解を示してくれた」という声を聞きました。
上司の方からも「毎月送られてくるメールと、育ってゆく赤ちゃんの写真を見ていたら、まるで孫が出来たような感覚になって、復帰後も両立を応援しています」という声もあります。
今回創業した新会社株式会社ワーク・ライフバランスでは、「armo(アルモ)」という新システムを開発しました。これは女性の育児休業者に限らず、男性の育児休業者、介護休業者、うつ病などによる休業者が、職場にスムーズに復帰できるようにサポートする仕組みです。
さまざまな事情で仕事を休まなくてはならない人は、今後どんどん増えてくると思うのですが、そうした人も復帰後にきちんと職場でステップアップしていける仕組みを作ることで、弾力的な日本社会を作りたいですね。今回のサービスも職場とのコミュニケーションサービスに非常に力をいれています。
新会社では、事業所内託児所を設置したい企業のお手伝いなど、社員がワーク・ライフバランスを取れる企業に変化するための総合コンサルティングを提供しています。実は、企業が金銭的に非常に少ない負担で事業所内託児所を作れる画期的なスキームがあるんですよ。行政は企業に両立支援を義務付ける法案を検討していますから、今後さらに具体的な対応が求められてくるでしょうね。