まずは行動
▲世界初のワインセーバーの原型。部品は家庭にあるものだ |
「ワインを酸化させないためには、ワインを酸素に触れさせなければいい」
極めてシンプルな発想から生まれた「ワインが酸化しないワインセーバー」を思い付いたその日、吉田氏は帰宅して自宅にあったノリの容器やボールペンの軸を使い「WHYNOT」の原型を作り上げている。
それが右にある写真の試作品なのだが、ノリの容器はどこの家庭にもありそうなものだし、ボールペンの軸にはある企業のロゴが書かれている。もしかすると街角で配布されているものだったのかもしれない。
吉田氏の成功のポイントは「思い付いたその日」に試作品を作り上げたことだ。よくスーパーで「主婦が考えたアイデア商品」を見かけるが、なかには「あっ、これは自分もあればいいと思ってた。特許取っておけばよかった――-」というものが多い。
つまりアイデア自体は、それほど奇抜なものではない。吉田氏の発明も決して理解できない内容ではない。しかし、その運命を大きく分けたのは、実際にモノを作ったり、特許を申請するといった“行動”を起こしたことである。