キャリアプラン/キャリアプラン事例

アイデアが国際特許に!フレッシュテック(2ページ目)

ふと思い付いたアイデアが「国際特許」になる―――。吉田英治社長は、ワインが酸化しない世界初のワインセーバーを作った。お酒が飲めないというのになぜ!?

執筆者:角田 正隆

フリーターから社長秘書へ

「縁こそすべて」出会った人には毛筆で書いた手紙を贈る

吉田氏は若くして両親を亡くし、学生時代は親戚の家に居候するなど、決して恵まれた環境で育ったわけではない。しかもフリーター生活を続けていた21歳で結婚。独身者ほど思い切った行動ができない状況だった。

ところがその吉田氏にチャンスが訪れる。「一番まともな稼げる仕事」だった警備会社のアルバイト時代、「遅刻をしない」などの真面目な勤務態度が評価され、本部スタッフとして引き上げられた。

その後、広告代理店に運転手として派遣され、再び大きなチャンスが訪れる。当初は局長クラスの運転手だったが、同社社長の運転手に抜擢され、さらには運転手兼秘書になったのだ。

フリーターから社長秘書への転身という普通なら考えられないキャリアも、運転手として「事前に道順を下調べしておく」といった地味な努力の賜物だという。「遅刻をしない」「下調べをする」といった小さな工夫が、ほんの数年で大きな違いとなって現れた。もし、吉田氏が警備の仕事をおろそかにしていたら、その後のキャリアはどうなっていただろう。


修羅場を乗り越え強くなる


社長秘書を務めていたとき、吉田氏は忘れられない大失敗を経験した。ある国のVIPを怒らせてしまったのだ。「人生が終わった」と覚悟した吉田氏だが、事態を引き起こした責任感から、翌日から連日のようにオフィスを訪れ、謝罪の機会を設けてもらえるよう願い出た。当初は態度を硬化させていたが、2年がかりでなんとか関係を修復させることができた。

こうした土壇場の経験を経た吉田氏は、「自分の中のリミッター※がなくなった」という。通常であれば経験することのできない崖っぷちを経験したことで、あらゆる事態にも動じない「免疫」ができたのだろう。この経験が「知識がまったくなくても、やればなんとかなる」という、ワインセーバーの開発を後押しした考えにつながってゆく。

※リミッター・・・限界を超えないよう出力を制御する装置


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