キャリアプラン/キャリアプラン事例

アイデアが国際特許に!フレッシュテック

ふと思い付いたアイデアが「国際特許」になる―――。吉田英治社長は、ワインが酸化しない世界初のワインセーバーを作った。お酒が飲めないというのになぜ!?

執筆者:角田 正隆



フレッシュテック吉田英治社長 70年東京都生まれ。91年大学中退。93年警備会社から大手広告代理店に派遣され、翌年、社長の運転手兼秘書に。その後ワインの酸化を防ぐワインセーバーのアイデアを思い付く。2002年エブリデイワイン(現フレッシュテック)設立。参考記事「アルバイト経験というキャリア
ワインは栓を開けた瞬間、空気中の酸素による「酸化」が始まり、その味わいが劣化してしまう―――。地球上にいる限り避けられないことだが、酸化は貴重なワインをじっくり味わいたいと願うワイン愛好家の天敵ともいえるものだ。

その酸化を防ぐ世界初のワインセーバーが、株式会社フレッシュテックの「WHYNOT」である。これを開発したのは同社吉田英治社長であり、この技術をコーヒーセーバーに応用するなど事業拡大を続けている。

しかしながら当の吉田氏は、技術者でもなければ、ワインの専門家でもなかった。学生時代はバレーボール選手を目指していたが、お酒はまったく飲めない体質、「お酒を飲むのは年に2、3回」なのだという。バレーボールの道に挫折すると大学を中退し、コンビニや引越しのアルバイトで働くフリーターになっていた。

その後「ワインを酸化させないワインセーバー」のアイデアを思い付き、「図工は嫌いだった」が、自宅にあった文具などで試作品を作り上げた。そのアイデアが後に「国際特許」を取得し、フレッシュテック社の技術基盤になった。吉田氏は何とも不思議なキャリアをたどってきた人物といえる。

研究開発型メーカーの立ち上げに欠かせない「技術力」「資金力」「経営力」などが、すべてゼロだったにもかかわらず、世界で勝負できる製品を作り上げた吉田氏から、「キャリアに限界などない!」ことを学びたい。


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