あなたは「No!」といえる人材といえますか? |
社会的・倫理的に見て、仕事そのものが自分の考えに相容れない
難しい問題です。この手の問題は以前、一部上場企業の就職試験の問題として作成し、鍵となる項目にいたしました。「No!」といえる人材かどうかを判断するものです。成長過程にある売上拡大を目指しているイケイケの会社は往々にして、売上を計上したいがために社会的通念ぎりぎりのことをするものです。私も80年代後半~90年代前半までサラリーマンをしておりましたが、当時の実力主義の会社は営業拡大路線が行き過ぎて、大手のリーディング会社でも法的にも罰せられた企業はいくつもありました。私はその当時日本IBMに在籍しておりましたが、IBMはいわずと知れた実力主義で営業が強い会社。その際、拠りどころになったのは「IBMビジネス・コンダクト・ガイドライン」です。
社員としての遵守すべき事項が明文化されている、社内憲法のようなものです。コーポレートガバナンス(企業統治)、コンプライアンス(法令順守)が重要な今日、個人としても、きちんとした倫理的な判断をすることが求められます。
よって、この見地での「できません」は長い目で見ても、むしろ買いなのです。「No!」といえる人材を目指しましょう。
プライベートの用事があり、残業ができない
悩ましい問題です。仕事を取るか、プライベートを取るかという選択です。ワークライフバランスが求められる今日、言葉だけが先走りしている感は否めません。私の捉え方は一般職である「依存」のステージから管理職である「自立」のステージに上がった時から、ライフステージに合わせ、徐々にそれを実現していくものと考えます。土台ができていないステージでワークライフバランスなどというのはいかがかな? と思います。
「ワークワークバランス」か「ワークライフアンバランス」の時期、新卒で入社して3~5年間、少なくとも結果が出せるプロのレベルになるまでは覚悟してこのように捉えるべきでしょう。職業人生を少しでも長く歩みたいと考えられている方には適合するでしょう。
仕事を取るか、プライベートを取るかという選択において、一人ひとりの価値観(バリュー)がベースとなります。これを機に、自分の仕事観や職業観を考えてみることは極めて有効なことです。
■参考記事
成功へと導く「7つの習慣」とは
■関連情報
IBMビジネス・コンダクト・ガイドライン